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日本は難民とどう向き合えばいいのか 難民申請は過去最多に

2018/6/20(水) 12:06配信

BuzzFeed Japan

本当に支援が必要な人を排除する危険

野津さんは、「就労目的で難民申請を出す人の存在は否定しない」としたうえで、二つの問題点を指摘する。

2016年は28人が難民に認定され、97人が「人道的配慮の特別許可」を認められた。野津さんによると、日本に滞在できるようになった計125人のうち26人は、再申請者だったという。

もし26人の再申請が今年にずれ込んでいたら、就労許可が出ず困窮し、場合によっては退去させられていたことになる。「本当に保護が必要な人を苦しめることになる可能性が高い」という。

もう一つは、就労目的の偽装申請者だとしても受け入れるほどの人手不足が続く、日本の労働市場の問題だ。「なぜ日本の労働の現場で、そのような人が必要とされているのか、問題の根本を考える必要がある」という。

深刻な人手不足を埋める外国人

日本の外国人労働者は、「技能を学ぶこと」を名目に3年の年限で安い給料で働く技能実習生と、ブラジルなど南米出身の日系人が2本柱で、これに留学生や就学生が加わる。

地方では、農業・漁業や建設業、縫製業などの現場を、こうした人々が支えている。東京などの都市部では、コンビニや飲食店の従業員がみんな外国人という光景が、すでに当たり前になっている。

建設作業に従事するために来日した技能実習生が、福島で放射能の除染作業に従事していた問題も浮上。「技能を伝える」という趣旨が霞み、安価な労働者として使われている実態が改めて問題となっている。

「都合のいい労働者」はどこに?

少子高齢化が進む日本は労働者不足が深刻だ。すでに約127万人の外国人労働者がおり、労働者の50人に1人は外国人だ。2040年度には、2018年度に比べ15-64歳人口がさらに1500万人減る見通しだ。

産業界からの要請も強まる中、政府は6月、技能実習生の滞在期間を5年に延長し、さらなる長期滞在も認める可能性を示した。一方で「移民政策ではない」として、家族帯同は許さないという。

野津さんは「5年も単身赴任で日本人よりも安い給料で働くというような都合のいい人を、これからも日本がそんなに集められるのか」と疑問を呈する。

中国やベトナムなど、これまで日本に技能実習生を送り出してきた国々では、急速な経済発展が続き、日本との賃金格差は年々縮小している。また、韓国や台湾などが外国人労働者の受け入れ制度を拡充させ、アジア人の働き先として人気を集めている。

かつて日本の技能実習生をモデルにした制度を導入していた韓国では、外国人の雇用許可を出し、韓国人と同じ労働法制を適用し、差別を禁止している。台湾は10年以上滞在できる制度だ。アジアだけでなく、カナダなどは介護職などに門戸を広げており、一定の資格を満たせば永住権取得の道も開けるため、フィリピンなどでは行き先として人気を集める。

日本は今後、人手不足が深刻な介護職でも外国人の受け入れを広げる方針だ。しかし、もし自分が働く者の立場だとすると、制約の多い日本を選ぶだろうか。

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最終更新:2018/6/20(水) 12:06
BuzzFeed Japan

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