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公園の滑り台は危険? 安全至上主義が社会を窮屈にしていないか

6/21(木) 10:20配信

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今年3月16日、『滑り台で女の子が指先を切断 つなぎ目に挟まったか』という報道がありました。あってはならないとても痛ましい事件です。女の子の一刻も早い回復を願うばかりです。

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一方、この女の子がどれだけ指を切ったのか、第一関節などからの大きな切断なのか、また指の先端の切断で回復可能な軽微なものなのか、そこまでは報道されていなかったのでわかりません。

ただ、「滑り台で指を切断」という恐ろしい報道が出たことは事実です。普通の感覚をお持ちの方ならこれを見て「滑り台も実は怖いものだ」と思われるでしょう。事実ツイッターでも「滑り台で指切断とか怖すぎ...」「滑り台でそんなことになるのか」というような反応が多く見られました。

たしかに、事故は恐ろしいもので、対策と予防は十分にしていかなければならないものです。ただ、僕はこの報道に違和感を持ったのも事実です。

他にもある大きな危険はほとんど報道されない

なぜならこのような報道の裏で、もっとたくさんの乳幼児が、窒息(就寝中の嘔吐などによるもの)、交通事故(自動車事故などによるもの)、溺死(風呂の残り湯の事故など)などで命を落としているにもかかわらず、あたかも社会には存在しないかのように、ほとんど報道されることがないことです。

もちろん、「犬が人間を噛んでもニュースにならないが、人間が犬を噛んだらニュースになる」と揶揄されるような業界ですから、報道機関サイドにもそうせざるを得ない事情があるのでしょう。

しかし、こうした報道が繰り返されることで「遊具は危険なもの」のような”空気”が醸成されていき、それを背景に、行政機関が善意で遊具を撤去していく…。結果として滑り台が街から消える。こんな事態が大いに想定されてしまいます。

事実、すでに同様の経緯で回転式遊具は街から消えつつあります。乳幼児にとってもっと危険である他のものについては言及せず、何か一つの「悪者」を見つけて叩いてしまう……。これは、物事の本質を見失うダブルスタンダードの典型例ではないでしょうか。

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最終更新:6/21(木) 11:30
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