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シフトレバーの「O/D」ボタン、なぜ消えた? そもそもどんな意味があるのか

6/21(木) 6:30配信

くるまのニュース

ゆるやかな長い下り坂では「O/D」をオフに

 AT車のシフトレバーには押しボタンがついていることがあります。押すと、インパネに「O/D OFF」、車種によっては「Sports」などと表示されるものです。

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 これはいわゆるオーバードライブスイッチのこと。巡航時に使用される最高速のギア(たとえば5速ATであれば5速)をオーバードライブギアといいますが、ボタンを押すことでこれをオフにする、つまり5速であれば自動的に4速に落とし、1速から4速までの低いギアを使って走行します。

 オーバードライブは、燃費をよくするうえでメリットが大きく、通常はこれをオフにしない状態で走りますが、下り坂でエンジンブレーキを効かせたい場合や、上り坂で変速回数が少ないなめらかな走行をしたいときなどにスイッチをオフにします。ゆるやかな長い下り坂ではオーバードライブをオフ、急な下り坂ではセカンド(2速)あるいはロー(1速)に落とすといった使い分けをしている人もいるかもしれません。

 このようにATの動きをコントロールするための「O/D」ボタンが、近年、数を減らしています。たとえばダイハツはほとんどの車種でこのスイッチがないとのことですが、なぜでしょうか。

そもそもギアの概念がなくなれば不要?

 ダイハツはオーバードライブスイッチがない車種について、「当社のラインアップではほとんどのクルマで、トランスミッションにATではなくCVTを採用しているためです。CVTではギアの概念がありませんので、オーバードライブスイッチも必然的に存在しません」と話します。

 CVTは「Continuously Variable Transmission/無段変速機」の略。通常のATは速度に応じて歯車を切り替えていきますが、CVTは、ふたつのプーリーにベルトなどを巻き付け回転させ、それぞれのプーリーの直径を変化させていくことで無段階に増速・減速します。ギアのような変速ショックがなく、力のロスも少ないことから燃費もよくなるとされているトランスミッションです。

 ダイハツによると、「CVTでも一応仮想で1速、2速といった指定はありますが、『ここからここまでの範囲で』という考え方です。シフトレンジは『D』の下がスポーツの『S』、その下がブレーキの『B』という3段階から選べるようになっています」とのこと。

 スズキでも、軽自動車および登録車ではCVTがメインとなってきているといいます。一部車種でオーバードライブスイッチのついたATの車種も併売してはいるものの、流れとしてはCVTへの置き換えが進んでいるといい、オーバードライブスイッチはいずれなくなるかもしれないと話します。

 ちなみに、スズキではMTをベースとしつつもシフトやクラッチ操作をオートとしたAGS(Automatic Manual Transmission。一般的にはAMTと呼ばれる)を「スイフト」や「ソリオ」などに採用しています。こちらは、シフトレバーの構造はATに準じているものの、「D」レンジからレバーを横にスライドさせ、ギアを手動で上げ下げできるようになっているので、オーバードライブスイッチはないそうです。

くるまのニュース編集部

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