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漁船建造ラッシュも悩む造船業界 人手不足で「仕事進まぬ」

6/21(木) 17:34配信

みなと新聞

 「このごろ、漁船の受注が増えている。お受けしたいのはやまやまなのだが、納期遅れで船主さんに迷惑もかけるわけにもいかず、困っている」。こう嘆くのは繊維強化プラスチック(FRP)漁船の国内大手「ニシエフ」(山口県下関市)の堀井淳社長だ。

 聞けば最近の漁船建造ラッシュは、水産庁が漁業者の収益向上に向け進める「漁業構造改革総合対策事業(もうかる漁業)などが明らかに追い風となっている」。もうかる事業では効率化のため漁業の機能を集約した新船を導入するケースが目立つ。当然、新しい船で漁業を続けようとする意欲ある人が増えているのは「好ましい流れ」と堀井氏は表情をくずす。

 しかし、造船所も農林水産業や土木建築業などと同様、「人手不足で仕事が思い通りに進まない」。とりわけ予算の執行上、納期がきっちり定められる国の事業計画に基づく船の建造は「安易に引き受けられない」のが悩みらしい。

 水産庁の調べでも漁船建造が可能な国内の造船所は168カ所で、うち100トン以上の船が造れれるのは10カ所程度しかない。FRP漁船では国内一の建造実績を誇り、最大級の180トン型の建造が可能な同社だが、年間12~13隻程度の受注船の建造に追われ、「社員にもきつい思いをさせながら、フル稼働の日が続いている」そうだ。

 そして、「もう少し余裕を持ってより良い船を納め、造船所なりに漁業の復活に貢献したいのだが…」と、最近の集中的な漁船建造ラッシュに応じきれない人手不足の現場の悩みを吐露していた。

[みなと新聞2018年6月19日付の記事を再構成]

最終更新:6/21(木) 17:34
みなと新聞