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「竜宮伝説」の蓮池 いつ戻るの? 国指定史跡一部 太田の長楽寺 市と文化庁の協議進まず

6/21(木) 6:03配信

上毛新聞

 群馬県の国指定史跡の複合遺跡「新田荘遺跡」を構成する太田市世良田町の長楽寺で、「竜宮伝説」などで知られる蓮池(はすいけ)が干上がった状態が続いている。井戸水の枯渇が原因とみられる。管理する市は新たな井戸を掘り「早く元の状態に戻したい」とするものの、国史跡の境内での掘削作業は文化庁の許可が必要で、復旧のめどは立っていない。観光ガイドにも紹介される名所だけに、観光客は荒れた景観に落胆。復旧を望む声が上がっている。

◎観光ガイドスポット 雑草生い茂り無残

 寺によると、池は鎌倉時代の寺創建当時の遺構を残し、心の字をかたどって造られたことから「心字池」とも呼ばれる。県重要文化財「勅使門」の裏に広がり、必要な物を紙に書いて投げ込むとその品が浮上するという「竜宮伝説」もある。周囲のサクラやモミジが美しく、歴史ファンだけでなく、写真愛好家も訪れる名所だ。

 池は湧水が枯渇したため、旧尾島町時代に井戸を掘り、ポンプで水を引いている。ところが昨秋から水位が下がり始め、年末には底が露出した。市の調査ではポンプに異常はなく、井戸水の枯渇が原因とみられる。現在は池の底などに雑草が生い茂り、景観が悪化。落胆する観光客の姿も見られるようになった。

 市は新たに井戸を掘削したい考えだが、境内は国史跡に指定されているため、エリア内に掘る場合は文化庁の許可が必要。市は同庁に事前協議を求めているが、枯渇から半年が経過する今も始まっていない。

 同庁は「井戸を掘りたい旨の報告は聞いているが、掘削場所や深さなど具体的な計画が示されて初めて協議をする段階になる。詳しい報告が届き次第、協議に入りたい」と説明する。

 境内には文化財が数多く、近くには世良田東照宮や小学校もあることから、池は防火用水の役割も兼ねている。寺の高橋亮秀住職は「あるべき水が池にないのは寂しい。遠くから来る観光客にも申し訳ない。一日も早く元の池に戻してもらえるとありがたい」と話している。

最終更新:6/21(木) 6:03
上毛新聞

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