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<旅するスマホ5>緊張のイミグレーション ~モスクワからエストニアへ~

6/22(金) 10:32配信

埼玉新聞

 埼玉県さいたま市のウェブ制作会社に勤務するヨウスケ(35)が、スマートフォンを頼りに、2カ月かけてユーラシア大陸を陸路で横断。徒歩で800kmの「スペインのサンティアゴ巡礼道フランス人の道」に挑戦し、最終目的地モロッコを目指します。ウェブディレクターならではの視点で、世界のIT状況や、現地の人々との交流をレポートしていきます。

<旅するスマホ4>モスクワはワールドカップムード、埼玉を発見 ~シベリア鉄道ともお別れ~

 12日、モスクワの朝。ホテルの朝食に、サラミや魚、果物、生野菜があった。フェリーではカップ麺、シベリア鉄道ではパンばかりだったので嬉しかった。

 その後モスクワ散策へ。荷物はレニングラスキ駅のクロークに荷物を預けた。クロークの職員に1000ルーブルと言われて支払った直後「ん?高すぎじゃないか?」と思い確認すると、さっきまでは英語を話していたのに、ロシア語でまくしたてられ驚いた。「5分粘って駄目ならば諦めよう…」と思い粘ったら「ミステイク」と500ルーブル返された。

 シベリア鉄道の起点の記念碑を見ると9298kmと距離が刻印されていた。あれ、ウラジオストックの記念碑は9288kmだったはず…。まぁいいか。

 22時過ぎ、エストニアに向かう夜行列車に乗る。シベリア鉄道と同じ造りの4人部屋で、同部屋には50歳代後半の男性と2人。声が聞きづらくて、何度か聞き直してようやくヴィクトールという名前を知った。

 ヴィクトールとはいろんな会話を楽しめた。彼はミュージシャンで、移民に関する研究者だという。『死ぬまでに必ず日本へ行きたい。映画監督の黒澤明が好き。映画ラストサムライを見て、より日本に興味を持った』などなど。

 ロシア人が使う検索エンジンについても話せた。Yandex(ヤンデックス)を使う人が一番多いらしい。彼のメールアドレスもYandexだった。

 「ヨーコノは、日本では有名ですか?」と聞かれたが、最初は誰のことかわからず、ジョン・レノンの話が出てようやく『オノヨーコ』のことだと気が付いた。「ヨーコ・オノは有名です。日本ではファミリーネームを先に言うからオノヨーコって呼びます」と言うと、彼は突然電話を取り出して、誰かに電話をかけはじめた。

 「今、ヤポーニャが横にいるんだけど、ヨーコノのことを、日本ではオー、ノー!ヨーコって言うんだって」と楽しそうに話していた。

 後で、もらった名刺で『Viktor Leonidov』とヴィクトールをYandexで調べてみたら、かなりの有名人で驚いた。いろんな国に演奏しに行っているし、たしかにリサーチャーで本を何冊も出している。ラジオ番組も持っていたらしい。

 翌5時過ぎ。停車したサンクトペテルブルク駅のホームで、車掌が声をかけてくれて写真を撮ってくれた。一緒に撮ろうと言うと「ニエット(NO)」。やはり職員に徹底されているようだ。

 ロシア側国境のイヴァンゴロド駅では、停車時間1時間でイミグレーション手続き。手荷物全てを見られた後、麻薬取締犬らしき犬が入ってきた。何も悪いことをしていないのに緊張するイミグレーション。

 というのも、ウラジオストックで会ったMさん(旅するスマホ2を参照)から、「中国まで電車で行こうとしたら、バスに乗せられて一時手錠までかけられた」と連絡をもらっていたし、在ウラジオストック日本領事館からは「日本人旅行者が出国できないトラブルに会った」という内容の注意喚起メールが届いていたからだ。

 その後、無事に出国許可が出て、ヴィクトールとも別れた。1分で着いた次の駅で、今度はエストニア入国手続き。職員は陽気な人で、僕の旅程を楽しそうに聞いてくれた。「have a nice trip!」と言われて、1時間後エストニアに入国できた。

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最終更新:6/22(金) 10:32
埼玉新聞