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【14億分の1:中国事件簿】厨房の残菜は金になる 「地溝油」で金もうけ

6/24(日) 17:05配信

東方新報

【東方新報】中国で「地溝油」と呼ばれる、飲食などで使用された廃棄油を製造販売した罪に問われた4人の被告に対する審理が14日午前、北京市(Beijing)房山区(Fangshan)の裁判所で行われた。

  被告席に座ったのは、厨房の廃棄物を回収し地溝油を作った夫婦と地溝油を買った料理店の経営者、地溝油を買って「火鍋の素」を製造した会社の経営者だ。

 ■被告席の4人─地溝油製造、配達、店、「火鍋の素」工場

 房山区検察院は、夫婦である張被告と陳被告が北京市大興区(Daxing)などの料理店から回収した唐辛子や山椒などの厨房で出た廃棄物を倉庫に運び、抽出や搾油などを経て「油脂製品」に加工し直し、料理店などに販売したと告発した。

 加工した油を張被告から購入したのは、王被告と蔡被告。王被告は、同市朝陽区(Chaoyang)平房郷(Pingfang)で料理店を経営。張被告は、王被告が料理店の経営者であることを知りながら、何度も油脂製品を販売。陳被告は配達係だった。王被告は、油脂製品が地溝油を使って作られたことを知りながら購入して料理を作り、顧客に提供した。

 また、蔡被告は房山区のある食品会社の責任者として「火鍋の素」を製造。張被告が販売しているものは地溝油だと知りながら購入し、地溝油入りの「火鍋の素」を作り続けた。

 北京市公安局は、長い捜査の後に、張被告と陳被告夫婦が大興区や昌平区(Changping)などの料理店から厨房の廃棄物を回収し、借家の中に運び入れていることを突き止め、2017年9月22日、容疑者全員を逮捕した。

 検察は、張、陳、王、蔡の各被告は、製造・販売した食品の中に有毒で有害の非食品原料を混入させた有毒・有害食品罪としてその刑事責任を追及するとしている。

 ■家の庭には地溝油19トン分

 房山検察院の宋検察官によると、張被告陳被告の夫婦は2013年から地溝油を作り始め、車で大興、昌平、通州(Tongzhou)などの料理店を巡り、代表的な四川料理である「水煮魚」などに使われた唐辛子や山椒など厨房で出た廃棄物を買い取り、地溝油に加工した後、料理店だけでなく正規の専門加工会社にも売っていた。

 夫婦の供述によると、販売価格は透明の油と赤色の油が500グラムあたり3元~3.5元(約50~60円)で、唐辛子の種が500グラムあたり1.9元(約32円)だったという。

 被告の家の庭には、地溝油が詰まった容器が大量に発見された。50キロ入りのプラスチック容器255個のほか、190キロ入りのドラム缶6個、唐辛子廃棄物の詰まった樹脂製袋1026個、合計19トンに上った。

 張被告は審理の中で、2008年頃から料理店に野菜を納入する仕事をする中で、厨房で多くの「水煮魚」の残菜が大量に捨てられていることを知った。「水煮魚」の残菜の唐辛子や山椒はいいもうけになると聞き、倉庫を借りて自分も商売を始めたという。2015年から17年9月までの間に、25トンの厨房ゴミを回収し14万元(約2370万円)を稼いだという。

 ■地溝油と分かっていても買う「金もうけのため」

 なぜ地溝油を使うのかという質問に対し、料理店経営者の王被告は「加工済みの地溝油だと知っていたが、金もうけのためにやった」、「火鍋の素」を作った蔡被告は「原価を抑えて金をもうけるためにやってしまった」とそれぞれ述べた。

 法廷審理の最後には、陳被告の弁護士が陳被告の診断書を提出。「55歳の陳被告は小学校しか出ておらず、法律の知識がない。糖尿病と高血圧を患っているので判決に当たっては配慮をしてほしい」とした。

 この事件は、引き続き審理が続いている。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:6/24(日) 23:05
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