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【doa インタビュー】日常の大人の夏休みのお供になれば

6/27(水) 10:02配信

OKMusic

心地良い風、雄大な空ときらめく太陽、夕景の中の海…。楽しくて、力強くて、温かくて、でもほんのり切なくて。包容力のある“愛”が詰まった11作目のオリジナルアルバム『ISLAND』。カッコ付けないカッコ良い大人たち、素敵だ!

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──今作のキーワードは“大人の夏休み”ですが、このキーワードを決めた時、どのような情景がうかびましたか?

吉本:ティーンエイジャーの頃に描いていた大人って、固くて遊び心のないイメージだったんですが、いざ自分が大人になると、いろいろな経験値は上がっているけど、実は根は少年だった頃とはあまり変わっていない。でも、見え方や見られ方を意識して偽りの仮面を被らないといけない時もありますよね。そんな偽りの仮面を取っ払って、大人なりに闘いながらも心の安らぎを見つけに行く冒険…そんなイメージです。

徳永:“小さな喜び”みたいなイメージでしたね。大人になると長い期間の夏休みがあることもそんなにないですし、それこそ贅沢も言えないじゃないですか。でも、そんな大人たちだって休みを実感したり、ときめいたり、わくわくもしたい…明日のために。だから、決して“セレブな気分で南国へ”というイメージではなく、例えばたった半日でも近所のどこかへ出かけてカフェでコーヒーを飲むだけでもいいし、昼寝をするのでもいい。僕なら近所の海までバイクでひとっ走りしてくるような。それでまた明日から頑張れるみたいなリフレッシュ剤というか、日常の大人の夏休みのお供になれればというイメージです。

──その浮かんだ情景から最初に見えた、広がった音楽の楽曲はどのようなものだったのでしょうか?

吉本:立ち止まらず、時間をかけてゆっくりと考え事をしながら、時には“無”になってひた進むキャンパーのような、大陸横断的…でっかい包容力のある僕ららしい乾いたサウンドです。

徳永:ガツガツしたものではなくて、ゆったりした夏。青い空がでっかくて、時間がゆっくりと進んでいる、それでいて大人の余裕と力強さを兼ね備えている…もちろん理想郷ではあるんだけど、それを手に入れる努力も必要だったり。でも、きっとその空は毎日見ている身近な空でも気持ち次第でそう感じられるんではないか、というような感じですね。

──今作に向けての楽曲作りにおいて、季節をキーワードに織り込みながらも“いつでも聴ける、長く愛される作品集”として成立させるために意識したこと、創意工夫されたことはありますか? doaの作品の魅力のひとつは、その普遍性だと感じているのですが。

大田:やっぱりメロディーではないでしょうか。デモの徳永くんが歌うメロディーが素晴らしいと思っているので、それを壊してはいけない、それが生きる歌詞を書いてdoaの歌にすること。そこが一番ですね。

徳永:いつも同じこのスタイル(笑)。3人のヴォーカル&コーラスとアコギがあればdoaサウンドになる。今回のアルバムもその軸はまったく一緒ですね。そこがある限り普遍的に聴いてもらえるように思っています。そして、夏に聴けば夏を満喫、逆に冬に聴けば夏に憧れを持つような、季節感に対してもいつもdoa世界へ一瞬で入っていただけるように、サウンドのミックスは乾いたように仕上げるなど、たくさん工夫しました。

──doaならではのトリプルリードヴォーカルとコーラスワークも、バンドとメンバーのみなさんそれぞれが重ねてきた歳月や得てきた経験値で常に進化していると思われますが、今作で歌・声・ハーモニーの表現で特に留意されたところはありますか?

大田:コーラスワークという意味では歌の癖やタイム感、重ねてきた歳月や経験が大きいと思いますね。そこは守りつつ“自分の歌を歌う”ということをいつも心掛けています。

徳永:より3人のヴォーカルの特徴と得意技が出ているかなと思います。吉本はカラッとした“ザッツ・ウエストコースト・サウンド”のさわやかロック、大田はユーモアにあふれたブルーステイストのロック、徳永はアコースティックバラード…のように、なんとなく歌い分けが出来上がった感じです。ハモり方も曲によってフォーメーションを変えたりしていますしね。

──「SATURDAY NIGHT FEVER」「オンリーユー」のようなユーモアとペーソスを感じさせてくれる楽曲の制作現場では、どのような雰囲気だったのでしょうか?

吉本:もちろんストイックな部分はとてもストイックなのですが、特に「SATURDAY NIGHT FEVER」の銅鑼の部分は別バージョンをいくつか録ったりして、笑い転げながらのレコーディングでもありましたね(笑)。

大田:「SATURDAY NIGHT FEVER」のサビ前の銅鑼が入っている部分は本当にいろんなパターンがあって、悩んで笑って迷って笑って、かなりはまりました(笑)。「オンリーユー」は僕のリードヴォーカル曲で、歌入れはだいたいひとりだったのですが“何か足りない!”と思って、最後の最後に3人でブースに入って間奏に入っているクラップやフェイクを録りました。一発オーケー! こういう場面の対応力はすごいです。

徳永:とにかく一回試してみようというのが現場のノリ。最初は冗談半分で誰かが言ったアイデアをとにかくやってみるんです(笑)。楽しんで作ったものは楽しい何かが伝わると思っているので、ゲラゲラ笑いながらやっていました。

──「You belong to me」ではアコースティックギターとペダルスティールの音色の融合にハッとさせられました。このサウンドはどのような発想から生まれたのでしょうか?

大田:基本はアコギと歌の弾き語りです。アコースティックギターは初期の頃からのスタイルで、ニール・ヤングやCSN&Yの影響が大きいですね。

徳永:僕の場合、サウンドを作る時は景色を思い描くところから始めるんです。景色と楽器の音色の関係ってすごく好きなので。で、この曲のテーマは夜の海。夜っていっても夕暮れから気付いたら暗くなってしまって星が見えていた、という限られた時間の景色。それと歌詞の世界観。もう会えない人へのラブソングですけれど、ただ弱い感じに想っているのではなく、もっと深い大きな強さをアコギのパターンで見せていて。そして、すごく遠くへ行ってしまった人へのイメージを遠くで鳴るペダルスティールで表現しています。

──何度も繰り返し聴きたくなる作品集ですが、曲の並びでもっとも気を配られたことはどういったところでしょうか?

吉本:3人がリードヴォーカルをとり、明るくてdoaらしい「Everybody今この時を輝いて」をアルバム最後の曲にする案は僕が提案しました。メロディー的にも疾走感があって、未来へつながっていくようなイメージなので、そのまままた1曲目の「愛LAND」につながっていくいい締めの曲、流れになったと思います。

徳永:曲の並びはいろんな人から意見をもらいましたね。みんなに楽しんでもらえるものにしたいので。

──ちなみにメンバーみなさんそれぞれ、今回の収録曲で印象深い曲、思い入れのある曲を挙げるとするとどれになりますか? 

吉本:僕は「HERO」ですね。モータースポーツ界の甲子園的位置付けである『FIA-F4 Japanese Championship』のオフィシャルテーマソングとして今年で3シーズン目を迎えていますが、やっと世に出ることになりました。僕はシンガーとレーシングドライバーとふたつの顔で活動しているのですが、正直これまではあまりそのふたつの業界の活動をリンクさせるようなことはしてこなかった。でも、「HERO」はレーシングドライバーの時の“Hiroki”とシンガーの時の“Daiki”の溝を、ある意味埋めてくれた曲になった気がします。

大田:僕は「HOME SWEET HOME」。この曲の歌詞は故郷の愛媛で何か定期的な活動ができたらと思っていた時に書いたものなんですが、その後、縁あって愛媛県宇和島市でラジオ番組をやらせてもらっていて。この曲が導いてくれたようなそんな想いです。

徳永:「シアワセ」ですね。さわやかな、軽快なアルバムの中では若干浮いているかもしれませんが。歌詞は僕が書きましたし、ヴォーカルも取っていて、これこそ自分の今思う日常にある大人の夏休みなのではないかと。実はすごく辛くて苦しい気持ちを歌った歌なんですよ。パッと聴きはさわやかに聴こえるかもしれないけど。1行目から表現したかったのは、きっと歌の主人公は昨日まで辛いことがあったに違いないということ。それでも朝に目が覚めて、今の瞬間があって、ふとシアワセについて思う…経験と未来の狭間で生きる大人の葛藤や不安や愛情が詰まった一番思い入れのある曲です。

──今回のレコーディング等で何かエピソードがあれば教えてください。

吉本:いつもと相変わらず何本も何本もコーラスを重ねたり、3人同時にブースに入ってシャウトしまくったり、14年前から変わらずな感じで、そういう意味ではdoaらしさにあふれたレコーディングばかりでしたね。

徳永:「SATURDAY NIGHT FEAVER」のサビ前の銅鑼の音はいろんなアイデアを試して、結局あの音になったんです。“なんで急にそこだけ中華?”みたいな感じですが(笑)。あの空白に叫んでみたり、楽器を入れたり、喋ってみたりしましたが、銅鑼の音に勝るインパクトがなかった。あの銅鑼の音も何種類もの中から試して選んだんですよ。ライヴで叩いたら面白いな!とか言いながら。

──11作目のオリジナルアルバムとなるわけですが、この作品集に込めた想いを教えていただければと思います。

大田:doa 3人だからできる音楽。歌うことの楽しさを目いっぱい込めたアルバムになったと思います。

徳永:我々大人世代のみなさんにもっと遊んでほしい。生き生きと生きてほしい。大人が変われば世の中が変わる。このアルバム一枚分の時間でもいいから、あの若い頃の夏休みのわくわくする気持ちをもう一回思い出してもらえたら嬉しいです。

──では、最後に、ファン、リスナーにメッセージをお願いいたします。

吉本:奥深い大人なサウンドを堪能してください。まだ大人じゃない方は大人を発見してください。doaにしかない、深く、軽やかで乾いたサウンドを日々の“Travel”時にでも楽しんでいただけると嬉しいです。

大田:約2年半振りのニューアルバムがやっと完成しました! この2年半、みなさんにもいろいろなことがあったと思います。僕らにもいろいろなことがありました。変わらない部分も変わった部分も全て、今のdoaです。僕らの想いが詰まった12曲、ぜひ聴いてください。そして、全国9カ所、『doa LIVE Tour 2018 -ISLAND-』で会いましょう!

徳永:アルバムのライヴツアーで会いましょう。仕事や家事や忙しいでしょうけど、みなさん夏休みを取って来てください。アルバムを聴いてきてもらうのが宿題です(笑)。

取材:竹内美保

OKMusic編集部

最終更新:6/27(水) 10:02
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