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2年近くやりこんだ「ポケモンGO」を起動しなくなった理由

6/29(金) 6:35配信

ITmedia Mobile

 2016年7月に「Pokemon GO(ポケモンGO)」がリリースされてから、2年になろうとしている。

ほぼイベントでしか入手できない「色違いポケモン」

 スマートフォンから得られる位置情報やAR(拡張現実)といったテクノロジーに「ポケットモンスター」の強力なIPが融合し、リリース直後は熱狂的な盛り上がりを見せたことは記憶に新しい。それによって引き起こされた社会問題も含めて注目を集めたものだが、今ではゲーム内容や周辺環境の変化もあり、ブームは落ち着いたといえる。

 もっとも、米調査会社SuperDataの調査結果によれば、ポケモンGOはリリース以来最大のアクティブユーザー数を記録し、2018年5月に1億400万ドル(前年比174%)もの売り上げをたたき出したという。世界的な人気は続いており、実際に日本でも都市部を中心に、まだまだ街でプレイしている人々を見かけることも少なくない。

 かくいう筆者もリリース直後から相当やりこんできた1人だが、個人的にはここ数カ月で熱がすっかり冷めてしまっている。今でもポケモンGOを楽しんでいるトレーナー諸氏に水を差すようで忍びないが、その原因を自分自身で振り返ってみた。

●ポケモン目当ての遠征も苦にならなかった日々

 「あれ、そういえば昨日、Pokemon GO(ポケモンGO)にログインしなかったよな……」

 ふと、そう気がついたのは4月のある日のこと。サービス開始から毎日欠かさずログインし、1日数時間は必ず歩き、ジム置きの報酬であるポケコインは最大(当時)の100コインを毎日ゲット。特定のポケモンを捕獲するためだけに遠方の公園に足を運ぶのも苦にならなかったし、イベントとあらば鳥取にも横浜にも、果てには熊本にも足を運んだ。

 そんな約2年にわたるポケモンGO中心の日々だったが、いったん連続ログインが途切れてからの気持ちの切れ方は、我ながら驚くほどだった。外出時にポケモンGOを起動しなくなり、1日1枚の無料レイドパスは翌日に持ち越すようになり、3月までは参加していた「コミュニティ・デイ」に至っては、4月以降は見向きもしなくなってしまった。

 一体何がきっかけでこうなってしまったのだろうか。

●トレーナーレベル40で気持ちに一区切り

 今思えば前兆はいくつかあった。

 一つはトレーナーレベルが「40」に到達してしまったことだ。最高レベルである40への到達は、当初からポケモンGOを続ける一つのモチベーションだったが、2017年の秋にそれをクリアしたことで、大きな目標がなくなってしまった。

 特に筆者の場合、隙間時間を捻出しやすいフリーランスの優位性を使って徒歩距離を稼ぎ、野生のポケモンをひたすら捕獲して経験値を獲得する「一人でコツコツとレベル上げ」に励むタイプだっただけに、レベル40に到達したことで、気持ちが一区切りついてしまった印象が強い。

 もちろん、レベル40を超えても経験値はカウントされているし、「ほしのすな」集めや「バッジ」の収集など他の目標はあるにはあるが、やはり最大目標をクリアした影響は大きかった。レベル40に達したユーザーだけが得られる特別なステージが用意されていたり、あるいは早いタイミングでレベルキャップ開放が行われていたりすれば、話は違ったように思う。

●隙間時間では到底対応できない新機能

 もう一つは、「コミュニティ・デイ」および「EXレイド」の導入だ。

 それまでのポケモンGOは、好きなタイミングでログインすればよく、隙間時間のみプレイすることが可能だった。しかしコミュニティ・デイは、月1回とはいえ、決まった時間に参加することを強いられる。それまであまり感じなかった“やらされている”感覚を、このころから強く感じるようになった。

 特にくせ者なのが、コミュニティ・デイに合わせて投入される「色違いポケモン」や、「特殊なわざ」を覚えたポケモンだ。経験値(XP)やほしのすなについては、コミュニティ・デイだと普段より効率よく手に入るというだけで、たとえ参加できなくとも後日カバーできるが、色違いポケモンや特殊なわざを覚えたポケモンだけはそうはいかない。

 これとよく似ているのがEXレイドで、こちらは不定期とはいえ、日時に加えて場所も指定されることから、隙間時間だけでは対応できない。せめて日時を振り替えられる機能があればよかったのだが、参加できないスケジュールが連続した時点で、気持ちが切れてしまった。

 結果として、3月まで欠かさず参戦していたコミュニティ・デイも、またEXレイドのパス目当てで行っていた近所の公園の巡回も、4月に“欠場”して以降、全く見向きもしなくなってしまった。連続参加が途絶えた途端にモチベーションが下がる現象はゲームに限ったことではないが、ここまで一気に興味を失うというのは、個人的にも意外だった。

●ギブアップの決定打になった機能とは?

 上記と並行して、“やらされている”という感覚が決定的になったのが、3月に始まった「ポケモンリサーチ」だ。

 指定の「タスク」をクリアすることで「リワード」が受け取れたり、特別なポケモンをゲットできるリサーチ機能は、次に何をすべきか分からない初心者をつなぎ止めるには確かに有効だろう。またレベル40未到達のユーザーにとっては、リサーチタスクを消化することでレベルも並行して上がっていくわけで、モチベーションの維持には適している。

 しかし筆者にとっては、来る日も来る日も宿題が出されるような感覚が、どうにも性に合わなかった。いうなれば無地のスケッチブックに自由気ままに絵を描いていたところに突然けい線を引かれ、文字しか書けなくなったようなもので、楽しみ方を強制されるようになった印象の方が強かった。

 特に一部のタスクは、モンスターボールの投げ方一つにまで干渉してくるなど、プレイスタイルをも強制してくる。これらは従来の「野生で捕まえても、卵をふ化させても、レイドバトルで入手しても、とにかくポケモンを入手できれば過程は問わない」という、ポケモンGOの自由度の高さとは、明らかに性格が異なるものだ。

 「文句があるなら、やらなければいいじゃん」という声も聞こえてきそうだが、ここでしか手に入らない「ミュウ」のようなポケモンもいるので、やらざるを得ない。結果として、筆者にとってはこのリサーチ機能が、毎日継続してのプレイをギブアップする決定打になってしまった。

●可処分時間がいくらあっても足りない問題

 こうして文章として書き出しつつ自己分析していくと、筆者にとっては、“やらされている”という感覚が徐々に強くなっていったことが、大きな原因のようだ。積もり積もってきた小さな違和感が4月ごろにとうとう決壊して、一気に興味を失ってしまったというわけである。

 もっとも、上記の理由を振り返ってみると、恐らく微妙なさじ加減であることがよく分かる。例えば、鳥取砂丘や横浜、熊本などで行われた地域限定イベントは、まさに“やらされている”典型のはずだが、イベントが開催された時点では、不思議なことにそうした印象はあまりなかった。

 これは単に、その時点では、運営が用意するイベントの数が決して多くなく、あらゆるイベントに参加してもなお、時間に余裕があったからだろう。そのため、イベントがあればそれに参加し、そうでないときはひたすら野生のポケモンを収集してレベル上げに励むというスタイルが通用していた。

 しかし今となっては、複数のイベントが並行して行われるのもざらで、新機能のリサーチなども合わせると、時間はいくらあっても足りない状態だ。つまり1日にやるべきことの総量が増加し、可処分時間がことごとく吸い上げられるようになったため、「もうこれ以上ついていけない」となってしまったわけだ。

 実際、ジムバトルを行い、伝説のポケモンのレイドバトルもこなし、リサーチにも対応しつつ、さらに通常のポケモン収集まで行おうとすると、膨大な時間が必要だ。これらに要する時間は、1年前の今ごろ、ポケモンGOにかけていた1日の所要時間を、はるかに上回っているはずだ。

 もう一つ、レイドバトルのように「工夫次第で最小回数の参加でクリア可能なタスク」ではなく、コミュニティ・デイやリサーチ機能のような「時間をかければかけるほど有利になるタスク」が増えたのも大きい。これらはポケモンGOのためだけではない、限りある可処分時間を、確実に削っていく。

 筆者の場合、自分のペースでできるゲーム性を生かし、大量の時間を注ぎ込んで優位性を保っていたのが、それは「工夫次第で最小回数の参加でクリア可能なタスク」が多かったからこそできた話だ。現状では、「時間をかければかけるほど有利になるタスク」が増えたために対応できなくなり、その結果として「魔法が解けた」ということなのだろう。

●もう少し続けるか、それともすっぱり止めるか

 ポケモンGOをほとんど起動しなくなって約3カ月、こうして振り返ってみると、ポケモンGOのゲームシステム側にも要因がある一方、自分の楽しみ方が硬直化していたことも同時に思い知らされる。ひょっとするとこれが「老害」というやつなのかもしれない、とも思う。

 とはいえ、プレイを始めて約2年もたつ以上、楽しみ方がある程度硬直化しており、新しい機能が肌に合わないのも、特に不思議ではないだろう。むしろ筆者としては、最近になって追加された新機能が、もしポケモンGOというゲームのリリース当初から備わっていたらどうだっただろう? と、想像を巡らせてしまう。

 例えば、初期の段階で必死になって育てた「カイリュー」や「カイリキー」、そして「バンギラス」は、いまやコミュニティ・デイやレイドバトルを通じ、いとも簡単にゲットできるようになってしまった。ポケモンが覚えるわざについても「わざマシン」でチェンジし放題である。古参プレイヤーとしては、やや複雑な気持ちだ。

 このことは、白けムードを生んだ原因の一つではあるものの、むしろ最初からこうしたシステムがあれば、それらをいかに効率的にゲットするかという、別の楽しみ方ができていたのかも、と想像してしまう。既に手持ちのポケモンがあった故、こうした収集方法にチャレンジできなかったのは、別の意味で残念だ。

 この6月に新たにリリースされた「フレンド」機能についても、同じようなことがいえる。もしこれがレイドバトル導入と時を同じくしてリリースされていれば、つながりができた仲間との和によって、現在に至ってもまだまだプレイのモチベーションが維持できていた可能性はある。

 筆者自身、今も残っているポケモンGO仲間にフレンド申請をしてもう少し続けてみるか、それともこれを機にすっぱり止めてしまうか、決めかねているところだ。「図鑑埋め」というもう一つの目標が残っている以上、これらは実に悩ましい。筆者にとっては、まだしばらく白黒付けられない状態が続くことになりそうだ。

[牧田歩,ITmedia]

最終更新:6/29(金) 6:35
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