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藤井聡太七段に2度勝った唯一の棋士 同期・大橋貴洸四段、デビュー年度の勝率は羽生超えの.793

6/29(金) 12:12配信

AbemaTIMES

 読み方は「たかみつ」ではない「たかひろ」。正確に覚えておかないと、後々になって恥をかくことになるだろう。期待の若手である。

 持ち時間各5分、一手指すごとに5秒が加算される「フィッシャールール」を採用した将棋の超早指し棋戦「AbemaTVトーナメント Inspired by羽生善治」。目にも止まらないスリリングなエンターテイメント性がファンの心をつかんでいる。

大橋貴洸四段(25)は7月1日から放送が始まる予選Bブロックで山崎隆之八段(37)、佐々木大地四段(23)、増田康宏六段(20)と戦う。早指し棋戦の鬼である山崎八段と1回戦を指し、勝てば1位決定戦で増田六段、佐々木四段の勝者と対戦。予選通過を目指す。

 大橋について語る上で、触れずにはいられないひとつのシーンがある。2016年9月3日、棋士養成機関「奨励会」三段リーグ最終日。大橋は12勝6敗で2位になり、悲願の四段昇段を果たした。同時昇段は13勝5敗で1位となったのが藤井だった。

 藤井は史上最年少での四段昇段。将棋会館には、快挙を待ち構えた多数のメディアが訪れていたため、通常はない盛大な記者会見が行われた。質疑応答の時間、当然ながら藤井に質問が集中した。大橋は終わるのを待つしかなかった。

 やがて14歳への取材が一区切りついた時、大橋に対する質疑の時間もわずかに設けられたが、通り一遍の質問が2、3問あった後ですぐに終わってしまった。報道各社は迫り来る締め切り時間を意識しており、大きなトピックがあるわけではない大橋に強い関心を示すことはなかった。

 将棋の世界は、四段昇段の時点である種のジャッジメントがなされる。基準は「昇段年齢」である。後にタイトルを取り、時代に君臨するような棋士のほとんどは10代のうちに四段になっている。24歳になる直前だった大橋に対して、強い期待感を抱いていたのは将棋界の中でも、ファンの間でも少数派だっただろう。

 ところが、デビュー後の大橋が刻んできたのは圧倒的な結果だった。通年のルーキーイヤーとなった17年度の成績は46勝12敗で勝率.793。先手番に至っては23勝3敗と圧巻の強さを示した。藤井が打ち立てる数々の記録の影に隠れたが、将棋の歴史においても数例しかないような新人の快進撃だった。ちなみに羽生竜王の通年の初年度である1986年度は40勝14敗の勝率741。大橋が上回っている。藤井を相手に公式戦で2勝(2敗)している唯一の棋士でもある。

 また、ファッションにおいても個性を発揮し、話題を集めている。スカイブルー、バーガンディ、モスグリーンなど色味も独特ならば、素材もベルベットなど、通常の対局室では見られないものがある。解説の様子なども堂々としており、大物の予感を感じさせる。

最終更新:6/29(金) 12:12
AbemaTIMES