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Qちゃんになれるか? 東海大・館沢亨次の挑戦

6/29(金) 15:08配信

スポーツ報知

 サッカーW杯で日本列島が熱狂に包まれる中、山口・維新みらいふスタジアムでも負けず劣らずの熱戦が繰り広げられた。22~24日に開催された第102回陸上日本選手権。五輪も世界選手権もない今年を「チャレンジの年」と定め、試行錯誤を重ねて挑む選手も多かった。その一人が男子1500メートルで現役学生59年ぶりの連覇を果たした館沢亨次(東海大3年)だ。

 昨年大会を2年生で制した館沢。今年に入っても2月から約2か月の米合宿を敢行。オレゴン大を拠点にトレーニングを積んだ。1マイル(約1609メートル)で3分57秒43の室内日本記録をマークするなど力をつけたが、最も手応えをつかんだのはウエートトレーニングによる筋力アップと柔軟性の獲得だった。「今までにないほどみっちりやった」と走る以外の面でも成長を実感。しかし、帰国時の取材の最後にはこう言った。「この体を動かせるかは別問題。時間がかかるかもしれないが、コントロールできるようになりたい」。

 不安は現実となる。帰国した10日後には四大学対校戦に出場し日本人トップの2位に入るも、レース後は疲労の蓄積などもあり体調不良ですぐに帰宅。さらにその1週間後には満を持して兵庫リレーカーニバルの1500メートルに出場するも、小林航央(筑波大4年)に敗れた。得意のラストスパート、残り200メートルで先頭に立ったが、かわされた。「あのときは、もう目の前が真っ暗になりそうでした。フォームを変えようとか、ピッチをもっと上げようとか、細かいことを良くしようとしてもうまくいかなくて」。舟津彰馬(中大3年)が別のレースで日本歴代5位となる3分38秒65の好記録を出すなどライバルたちは好走。王者も心のどこかに焦りがあったのかもしれない。

 それでも、小さなことを突き詰めていくうちに視野が狭くなっていたことを自分で気付けたのも、選手としての能力の高さだ。「自分にできることを今まで通り貫いていこう。きっと、レベルが上がる時に自然と内容も変わってくる」。開き直った後は関東学生対校選手権で小林に雪辱を果たし連覇を達成。800メートルにも挑戦し、準決勝で敗退するもスピードを磨き、再び日本一をつかみとる礎とした。

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最終更新:6/29(金) 15:08
スポーツ報知

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