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地震で賃貸の家が損傷…家賃交渉の余地アリ! 法律上『損傷の程度に合わせて家賃下がる

6/30(土) 10:10配信

関西テレビ

6月18日、大阪北部で起きた地震で、被災された方々が「法律的にコレはどうなんだろう?」と気になる“法律のハテナ”について、現地取材しました。

今回は、特に賃貸物件にお住まいの皆様にとって重要な、『家賃』に関するお話などです。

菊地幸夫弁護士に解説していただきます。

<地震の被害にまつわる、おカネの話>

地震の激しい揺れによって、集合住宅の柱には大きな亀裂が…。側面もボロボロで、剥がれ落ちています。

また、別のアパートでは、屋根にあった瓦が落下。住民の方に話を伺うと…。

アパートの住民:
「2階の人が困ると思うんですよ。今日も雨や言うてるし、曇っていて降るかもしれへんし。そこがね、ちょっと心配」

不安はあるけれども、他に引っ越すあてもなく、そのまま賃貸マンションやアパートに住み続けている人もいるようです。

その場合、気になるのが…『家賃』。

男性:
「下宿してる友達は、家にひびが入ったりとか。住めるらしいんですけど、やっぱ余震とかきて怖いみたいで。(壁などが)割れたままやったら、家賃も交渉できると思うんですけど…。ちゃんと建て直すってなったら、家賃はそのままでもいいかなとも思います」

地震で壊れてしまった賃貸のマンションやアパート。

そこに住み続ける場合、家賃って何とかならないものなのでしょうか?

菊地弁護士:
「一部が損壊した賃貸物件で、家賃の減額をしてもらえるかについては、損傷の程度にもよりますが、交渉の余地はあります。

 こんな風に考えていただければと思います。住んでいる人が大家さんに対して家賃を払う義務があるのと同時に、大家さんには借りている方に賃貸物件を使っていただく上での義務があります。

 ですから、例えば家が損傷して、半壊・全壊という、住まいとして使えなくなる程度に合わせて家賃も一緒に下がっていく。そんな感じです。

 では、『ひび』だと何%壊れていることになるのか…っていうのは数字ではなかなか難しいですけど、考え方は、家の損傷した程度と同じように家賃も下がるということです」

Q.提供できるサービスの程度が下がったんだったら、家賃も下がると?

菊地弁護士:
「おっしゃる通りです。ですから交渉の余地はあります」

Q.一方で、ひびが入ってしまっていたら、修理をしたいですし、してほしいですよね。そのあたりはどうなんでしょう?

菊地弁護士:
「『大家さん、直してください!』と言っても、大家さんも被災していて、とてもとても…ということもあると思います。

 例えばですね、賃貸物件で借りている方がご自分で直したら、法律上、修理費用は大家さんに請求できるんです。もう雨漏りがして背に腹はかえられない!ということでしたら、いくら支払ったかを示すためにちゃんと領収書もとっておいてください。また、出来れば事前に大家さんに対して、『大家さんが今大変ならば、こちらで直しておきますから。この程度の修理をします』と言っておいてください。でないと、大家さんから『勝手に直して!こんな高いのを』とか、後からトラブルになってしまうと困りますので」

Q.また、今回の地震の特徴として、住宅密集地での被害があります。まさに家と家が隣り合っている中で、隣の家の壁が落ちているとか、瓦が落ちかけていて、次に揺れた時、うちに被害が及ぶかもしれない…という状況もあると思われます。例えば、隣家の壁が倒壊しそう…という場合、強制的に修理をしてもらうということは可能なんでしょうか?

菊地弁護士:
「予防措置を取るように請求できます。耳にされたことがない言葉かもしれませんが、『妨害予防請求権』というものがあります。

 例えば、自分の土地があったとして、その土地に危機を及ぼすようなもの、“私の所有物がピンチになる危機”をはねのける力を、所有権は持っているんです。強い権利です。ですから、私の敷地に隣の壁が倒れてきそう…というピンチを脱したいという方には『妨害予防請求権』があります。応急修理や全面的な修理を請求できる権利です」

Q.拒否されてしまったら…?

菊地弁護士:
「その場合は、裁判ということになります」

Q.例えば自分の土地でなく、借家の場合はどうなるのでしょう?

菊地弁護士:
「借家ですと、今度は『占有』という言葉になるんですけれども、ピンチにならないようにしてくださいという権利がやっぱりあります」


(関西テレビ6月27日放送『報道ランナー』内「そこが聞きたい!菊地の法律ジャッジ」より)

最終更新:6/30(土) 10:10
関西テレビ