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復刻連載「北朝鮮難民」苦難の行軍を再照射する(2) 朝鮮族の「人民の海」に潜伏

6/30(土) 20:45配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

◆北朝鮮-中国国境の鴨緑江・豆満江

◆北朝鮮-中国国境の鴨緑江・豆満江
北朝鮮難民問題を理解していただくための基礎知識として、難民が渡ってくる北朝鮮-中国国境はどうなっているのか、また中国に脱出した後に潜伏生活を助けている中国朝鮮族の存在について、まず簡単に説明しておきたいと思う。なお、文中で北朝鮮-中国国境を「朝中国境」と略す。日本から見て近い国を先に記すべきだと考えているからで、他意はない。

朝鮮と中国は白頭山(中国名は長白山・2744メートル)を源とする鴨緑江と豆満江(中国名は図們江)という二本の川をボーダーラインとしている。黄海に注ぎ込む鴨緑江は約790キロメートル、日本海(朝鮮東海)に注ぎ込む豆満江は約520キロメートル。これに源流付近の地続きの部分を合わせたおよそ1400キロメートルが北朝鮮と中国との国境線である。

鴨緑江、豆満江とも大河の割には川幅が狭い。中流より上は概して100メートル以下で、中流でも狭いところは20メートルぐらい。川の両岸で声を掛け合っている光景は日常的に見ることができる。もちろん源流地帯に行けばまたいで越えられる場所もある。

12月中旬から3月中旬までは完全凍結する。物理的には川を越えてくるのは簡単そうに思えるが、北朝鮮側は両河川のほぼ全域に多くの警備兵を配備して越境者を監視している。川沿いに「潜伏哨所」と呼ばれる穴倉の詰所を作って24時間警備している。中国側は一見のんびりしたもので、巡回パトロールと幹線道路の検問ぐらいだ。渡河ではなく、中国深くへの拡散を阻止する警備方針を取っていると思われる。

川を行ったり来たりの密輸の横行は凄まじい。豆満江では、日本の中古車、麻薬(!)、骨董品、マツタケ、屑鉄、屑銅などが北朝鮮から入ってくる。中国からは現金が渡っていく。中古車や麻薬などの密輸は、北朝鮮側が国家レベルで組織的にやっているとしか考えられないケースが多い。個人や闇組織で扱える品ではないからだ。一方の中国側はマフィアやチンピラ組織が国境警備隊を買収して密輸をやっている。 本文:2,156文字 この記事の続きをお読みいただくには、アジアプレス・ネットワークの購入が必要です。

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