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原料不足続くたくあん 安定供給へ収穫負担軽減、価格適正化目指す

7/2(月) 13:16配信

食品新聞

大根の一大産地である南九州では、17年度産の不作により沢庵(たくあん)の原料が不足している。台風、日照不足、霜など天候要因もさることながら、高齢化や転作など生産農家の減少が大きい。南九州の沢庵漬メーカーは収穫作業の負担軽減を図るとともに、原料と製品の価格適正化に取り組んでいる。

近年の沢庵(沢庵・大根製品の総称)出荷額は約440億円で安定推移している。漬物総体の漸減傾向が続く中で、沢庵需要は底堅い。主力の一本物はこれまで割安感、お得感が大きな訴求ポイントだったが、昨今の原料事情からそういった売り方も難しくなってきた。

また、メーンユーザーの高齢化、単身世帯の増加から売場では小容量品が徐々に増えている。地方ではまだまだ一本物が強いが、都市部では近年スライス製品が隆盛を極めている。

課題は原料面であり、加工用大根の生産が年々減少している。加工用大根の主産地は、宮崎、茨城、鹿児島、北海道、青森などで、このうち一大産地の南九州(宮崎・鹿児島)では農家の人手不足に天候不順が重なり、近年は原料薄が常態化しつつある。

南九州では17年度産原料が不作となった。重量ベースで、塩押し沢庵の原料となる生大根が平年の8割作、干し沢庵の原料となる干し大根が7割作と言われる。17年度産の不作は天候要因も大きいが、根本的には生産農家の減少による作付面積減少が響いている。

南九州の沢庵メーカーは将来にわたって製品の安定供給を持続するため、問題の解消に向けて動いている。「最重量野菜」とも言われる大根の収穫作業の負担を軽減するため、フレコン収穫を提案する大手メーカーもある。収穫作業の効率が上がり、収穫に要する人手を減らせる。さらに、収穫後の漬け方や洗浄の省力化を図るメーカーもある。

また、干し大根は櫓干しによって独特な甘みと風味が増すが、雨にぬれると表面に黒ずみが出て、「雨ずれ」と言われる症状になる。これは見た目が悪くなるため2級品として扱われる。ある大手メーカーでは雨に打たれても雨ずれが出ない予防策を数年前から試行錯誤している。

重量野菜の大根から他の作物へ転換も進んでいるが、農家に大根生産のメリットを感じてもらうには「反収20万円が必要」と言われる。農家にとって魅力ある原料価格の実現、また製造経費アップへ対応するには製品値上げは避けて通れない。塩押し沢庵は既に価格改定を実施したメーカーが多く、干し沢庵に関しても既に実施済み、または今秋の実施に向けて改定作業が進められている。価格適正化をさらに進めなければ、今後の産地維持は難しい。

最終更新:7/2(月) 13:17
食品新聞