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日本で初めてのプロレフェリー・加藤誉樹、29歳<Human ウォッチャー>

7/2(月) 12:37配信

テレビ東京スポーツ

そこに秘められたドラマをあなたはまだ知らない。

去年、勤めていた大手銀行を退職し、バスケットボールのプロレフェリーになった。
日本のレフェリーライセンスはS級からE級までの6段階。計4万6千人が登録していて、そのうちBリーグの試合を任されるのはS級とA級の一部、110人。加藤はプロとして固定給と試合の日当を得ている。

なぜ彼はエリート街道に背を向けたのか?素朴な疑問から始まった取材。
密着を始めてわかったのは加藤が並はずれて折り目正しい人柄だということ。
集合時間の15分前に必ず現れる。自分のレフェリングは何度も何度もVTRを見返ししつこくチェックする。長い時だとチェックは3、4時間に及ぶことも。

そんな加藤の取材は現場泣かせだった。日本バスケットボール協会からの制約で、加藤が担当する試合が当日になるまでわからないのだ。本人も我々取材スタッフも行き先が分かるのは当日の朝。公平性のためだから仕方ないが、連絡を受けてから航空券を取りレンタカーを手配して会場へ慌ただしく移動する。

この日は今シーズンの大詰め、Bリーグチャンピオンシップの準々決勝。
会場入りの時間は、いつも同じ。試合開始の3時間前と決めている。
レフェリーは一試合に三人。それが世界共通。この試合でプロは加藤だけ。まずしたのは試合の展開予想。データをもとに起きうる事態を想定し他の二人に伝えた。

続いては準備運動。レフェリーが走る距離は一試合で5キロほどと言われる。
足がつったり、転んだりはご法度。だから入念に体をほぐしておく。

試合開始の70分前になると三人そろって控え室を出る。
コートインスぺクションと呼ばれる作業。ブザー音の確認やコートの広さのチェック、
リンクの高さが正しいかどうかも、ミリ単位で確かめる。

意外な秘密兵器もある。それは心拍計。驚いたのは、測定結果の行方。スイス、ジュネーブに本拠地を置く国際バスケットボール連盟に自動で送られそのデータがレフェリーの良し悪しを計る判断材料にされるという。

あらゆる視線に囲まれている彼らの仕事。ミスは許されず、うまくいっても褒めてはもらえない。この日行われた試合にも両チームが熱くなり、レフェリーのジャッジが問われる場面が度々あった。その中で加藤は選手に詰め寄られても冷静そのものという様子でことを治めた。

そして迎えた試合終了。ここまでまるで表情を変えなかった加藤だが一瞬だけ緩んだその表情は、事故なく無事に試合を成立させた喜びを示していた。

この日のお勤めはこれにて終了。…ではなかった。ホテルの一室で反省会。

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