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東海第二原発、再稼働見通せず 規制委は新基準「適合」

7/4(水) 21:40配信

朝日新聞デジタル

 首都圏にある唯一の商用炉である日本原子力発電東海第二原発(茨城県)の再稼働について、原子力規制委員会は4日、安全対策の基本方針が新規制基準を満たすと認めた。ただ、再稼働するには、今年11月までに20年の運転延長の認可を受けたうえで県や周辺6市村の事前了解(同意)を得なければならず、実現の見通しは不透明だ。

【写真】周辺に住宅が広がる日本原電の東海第二原発=2018年7月4日午前、茨城県東海村、朝日新聞社ヘリから、仙波理撮影

 東海第二は半径30キロ圏内に全国の原発で最多の96万人が住む。この範囲の14市町村には事故に備えた避難計画の策定が義務づけられているが、難航している。

 再稼働には、規制委による技術的な審査にパスするだけでなく、地元自治体の同意が欠かせない。他原発では、県と所在地の自治体に同意を求めるのが通例だが、東海第二は県と東海村に加え、水戸市など周辺5市からの同意を得る「茨城方式」を導入。6月には水戸市議会が再稼働に反対する意見書を可決。4日に記者会見した東海村の山田修村長は「説明を求め意見を言っていく」と述べた。

 規制委はこの日の定例会で再稼働の前提となる「審査書案」を了承。原電が示した地震や津波、炉心溶融のような重大事故への対策が新基準に適合すると判断した。更田豊志委員長は、重大事故対策などについて「妥当な、十分な効果を上げる設計がなされたと思う」と述べた。

 規制委は、30日間意見を募集し、正式決定する。「適合」となるのは8原発15基目。東京電力福島第一と同じ沸騰水型炉(BWR)では、東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)に次いで2カ所目で、東日本大震災で津波の被害を受けた原発では初めて。

 東海第二は今年11月27日が40年の運転期限となり、原電はさらに20年の運転延長をめざす。期限までに詳しい設計の工事計画と運転延長の二つの認可を得なければならないが、審査は遅れている。書類の提出などが滞れば、時間切れで廃炉を迫られる可能性が残る。

 原電は資金面でも課題を抱える。全長1・7キロに及ぶ防潮堤の建設などの安全対策工事に1740億円を見込むが、自力での調達は厳しいため、東北電力と東電が支援する意向だ。

 実質国有化されている東電の支援について、規制委は、東電を監督する経済産業相の考えを求める異例の対応をとった。福島第一の廃炉作業や、柏崎刈羽の安全対策に支障が出ないことを確認する。(小川裕介、川田俊男)


■主な原発の約30キロ圏の人口

(内閣府や県への取材から作成)

東海第二(茨城) 約96万

浜岡(静岡)   約84万

島根(島根)   約46万

柏崎刈羽(新潟) 約45万

玄海(佐賀)   約26万 再稼働

川内(鹿児島)  約21万 再稼働

高浜(福井)   約17万 再稼働

大飯(福井)   約16万 再稼働

伊方(愛媛)   約12万 再稼働

朝日新聞社