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なぜ彼女は「保守速報」を訴えたのか。ある在日女性の想い

7/4(水) 6:10配信

BuzzFeed Japan

まとめサイト「保守速報」。裁判所が相次いでその差別的な内容を認定し、掲載広告がすべて撤退している同サイトを訴えた在日朝鮮人の女性がいる。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

「私は日本で生まれ育って、この国で生きていきたいと思ってきた。愛着もあるし、大切にしているところ。だからこそ、この国が私を大切にしてくれるか、知りたかったんです」

そうBuzzFeed Newsの取材に語るのは、「保守速報」を訴えた大阪在住の在日朝鮮人でフリーライターの李信恵さん(46)だ。

自身に関する同サイトの記事が「名誉毀損、侮辱、いじめ、脅迫、業務妨害」に当たるとして、2200万円の損害賠償を求め、裁判を起こした。

6月28日、大阪高裁は記事内容の差別性を認め、サイトの管理人に200万円の支払いを命じる地裁判決を支持した。敗訴した保守速報は最高裁に上告した。

李さんは、なぜ裁判を起こしたのか。

「選挙権を持たない在日朝鮮人は、日本の社会のなかで発言をすることがとても困難な存在です」

「私たちの先輩たちはさまざまな訴訟をして、権利を一つ一つ勝ち取っていった。だからこそ、法廷は日本で一番公平な場所だと思っていたんです」

息苦しくなったインターネット

在日1世の父と2世の母を持つ李さんは、東大阪市で育った。実家は鉄工所だった。

その影響もあってか、幼いころから機械好き。早くからコンピューターに興味を持ち、パソコン通信やインターネットの黎明期から、その世界に没頭した。

ネット上での、世代も出自も関係ない出会いは、刺激的だった。

行ったことがない韓国の話を聞いたり、在日同士で家庭ごとの食事の違いを笑いあったり。すべてが新鮮で、自由だった。

そんな和気あいあいとしたネット上がだんだん「息苦しく」なってきた。ちょうど日韓W杯が開かれ、北朝鮮による拉致問題(ともに2002年)が注目されるようになったころだ。

「そのころから、2chなどの匿名掲示板で在日を差別するような書き込みが増えていったんです。でもその時は、見たくなければ、見に行かなければよかった。変わった人たちが悪口を書き込んでいるだけだ、と」

「それに、そういう人だけではなかった。拉致問題の時には『在日としてどうしたらいいのか』と書き込んだことがあるけど、当時は『悪いのは北朝鮮という国家で、在日じゃない』と支えてくれる人もいました」

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最終更新:7/4(水) 6:10
BuzzFeed Japan

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