ここから本文です

指1本で小説執筆、9年で210万字 浙江・脳性まひの27歳

7/4(水) 20:15配信

東方新報

【東方新報】中国・浙江省(Zhejiang)衢州市(Quzhou)の市街地に住む毛晗涛(Mao Hantao)さん(27)が、午後1時、パソコンの前に座りキーボードをたたいていた。毛さんは脳性まひだ。指が硬直しているので、右手の人差し指でしか、キーボードをたたくことができない。1分間で入力できるのは、10文字程度だ。

 毛さんはこの9年ほどで、人差し指だけで計210万字に上るファンタジー小説を執筆した。このうち、129万字分をオンライン小説として発表し、1400元(約2万3000円)の原稿料収入があった。

 原稿料を得たことで、毛さんは自信に満ちあふれている。「私の小説を読んでくれる人がいるだけで嬉しい。今後も頑張って、ずっと小説を執筆しいていくつもりだ」

 毛さんは1歳の時に、脳性麻痺と診断された。両足の筋肉が萎縮し、歩行が困難になり、指も硬直して、話す言葉もはっきりしなかった。知的障害はなかった。両親は医師を求めて探し歩いたが、治癒には至らなかった。

 小学校入学後は、祖母が学校に付き添って身の回りの世話をした。

 数学の試験は、ほとんど合格点を取れなかった。偏った成績が影響して、高校入試では合格できなかった。毛さんは、家にいるだけで何もしない生活を送ることになった。

 入浴時に介助が必要なことを除き、基本的な日常生活は可能だ。両親が出勤した後、一人で家にいて、何もすることがなかった。毎日ゲームで遊んだり、テレビを見たりしていたが、悶々(もんもん)とした日々を送っていた。

 暇を持て余し、心に思っていることを短編の物語にして執筆してみた。気分が良い時も、悪い時も。インスピレーションが湧きあがると、パソコンの前に座ってキーをたたいた。

 2009年のある日、毛さんは自分の書いた物語を試しにオンライン小説の創作グループに投稿してみた。翌日、あるネットユーザーが毛さんに小説を執筆してみたらとアドバイスをした。二日後、ウェブサイトの担当者が毛さんを探し出し、連載契約を結んだ。

 以来、毛さんはネット小説の書き手となった。毛さんは「自活できようができまいが、仕事を見つけることができたので、このチャンスを大切にしていきたい」と語った。

 毛さんの両親は公務員だ。息子が小説を執筆していることに、驚きと喜びを感じるが、同時に心配事もある。父の毛曉波(Mao Xiaobo)さんは、「私たちが歳を取った時、子どもが自立して生活することができて、将来は意気投合できる人を伴侶に選び、その人生涯寄り添ってくれるといいと思う」と語った。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:7/4(水) 22:20
東方新報