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「震災障害者の交流会」三つの被災地から後遺症を負った人が初めて集う(矢野宏・新聞うずみ火)

7/5(木) 6:31配信

アジアプレス・ネットワーク

■ 阪神・淡路大震災、広島土砂災害、熊本地震 同じ境遇の人たちと出会うことの意義

地震などの自然災害で心身に障害を負った「震災障害者」の交流会が6月上旬、神戸市中央区と兵庫県西宮市であり、阪神・淡路大震災と2014年の広島土砂災害、16年に発生した熊本地震の三つの被災地から後遺症を負った人が初めて集い、被災した時の様子、将来への不安を打ち明けた。(矢野宏・新聞うずみ火)

震災障害者を支援している神戸市のNPO法人「よろず相談室」(牧秀一理事長)が交流を広げようと企画。広島や熊本では集う場がないため、神戸で初の集いの場を設けた。

西宮市の新西宮ヨットハーバーで開かれた最終日、震災障害者やその家族、支援者も含めて33人が出席し、海辺のレストランで食事しながら交流を深めた。

談笑の輪が広がる中に、熊本地震で右足を失った大学3年、梅崎世成(せな)さん(21)=福岡県大牟田市=の姿もあった。

16年4月に発生した熊本地震で熊本県南阿蘇村のアパートが倒壊。梅崎さんが寝ていた1階が崩れ、2階部分に押しつぶされた。右足に本棚が倒れてきたため身動きがとれず、救出されたのは6時間半後だった。「命があってよかった」と家族や友人は喜んでくれたが、さらなる悲劇が待っていた。

■ 無事救出されたが、クラッシュ症候群で足を切断

クラッシュ症候群――。がれきなど重いものに手足などが長時間にわたって圧迫され、解放された後に起こる全身障害のこと。筋肉が圧迫されると筋肉細胞が壊死し、解放されると毒素が血液を通じて全身に広がる。心臓や腎臓などにダメージを与え、亡くなるケースもある。梅崎さんは右膝上5センチから下の切断を余儀なくされた。

「それまで健常者として生きて来て、昨日までできていたことができなくなっていることにショックを受けました。歩けない、膝が曲がらない、屈むこともできない。何度も自暴自棄になりそうでした」

それでも「夢は諦めなければ必ずかなう」という執刀医の言葉に支えられ、できなくなったことを一つずつ克服してきた梅崎さん。熊本地震への関心が薄れていく中で孤立感を覚えることもあると吐露した。

阪神・淡路大震災の被災者は何度もうなずきながら耳を傾ける。ピアノの下敷きになって高次脳機能障害になった城戸洋子さん(38)=神戸市北区=の母美智子さん(65)は「障害者だからといって甘えることに恥じることはないのよ」と声をかけた。

梅崎さんに笑顔が広がった。「大学でも同じ境遇の人と巡り合うことはなく、思いを共有できる人はいない。今回、交流会に参加して同じ境遇の人たちと出会い、自分の苦悩に共感してくれる人と話し合うことができ、胸につかえていたもやもやとした気分を吐き出すことができました」

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