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<松戸女児殺害>死刑回避、過去の裁判例との公平性を重視

7/6(金) 21:05配信

毎日新聞

 千葉県松戸市立小3年、レェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9歳)=ベトナム国籍=が殺害された事件の裁判員裁判で、千葉地裁は6日、殺人など四つの罪に問われた女児の通学先の元保護者会長、渋谷恭正被告(47)に対し、無期懲役(求刑・死刑)を言い渡した。死刑を回避した千葉地裁の判断は、「市民感覚」が反映される裁判員裁判においても、遺族の処罰感情も考慮した上で、過去の裁判例との公平性を重視する姿勢を鮮明にしたといえる。

【松戸女児殺害 事件の経過】

 死刑の選択には最高裁が1983年の判決で示した「永山基準」が考慮され、殺害された被害者が1人の場合は死刑が回避される傾向にある。被害者1人の殺人事件の裁判員裁判で死刑判決が出たのはこれまで4件。このうち控訴がなく1審判決が確定した1件を除く3件は控訴審で無期懲役となり、うち2件は確定した。さらに、わいせつ目的で被害者1人の殺人事件の裁判員裁判の判決では、14件中11件が無期懲役(うち1件は検察側が上告中)となっている。

 今回の事件の遺族は強い処罰感情を法廷で吐露した一方、被告は遺族を傷つける発言をしていた。ただ検察関係者によると、反省の態度の有無や被害者の処罰感情など「情状」は、判決においては量刑の「微調整」にしか考慮されないという。

 被害者数以外で重視されてきたのは犯行の残虐さや計画性だ。ただ、この点について千葉地裁は、わいせつ行為と殺害の関連性や誘拐の時刻、場所など不明点が残っているなどとして「検察は死刑選択をやむを得ないとする具体的な根拠を示していない」と指摘。死刑とすべき特段の事情には採用できないとの見方を示した。【斎藤文太郎】

最終更新:7/7(土) 0:34
毎日新聞