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決め手は看護服のポケット、消毒液成分付着 連続中毒死

7/7(土) 21:53配信

朝日新聞デジタル

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者が相次いで中毒死した事件から約1年10カ月。神奈川県警は7日、うち1人の男性(当時88)を殺害した疑いで、病院の看護師だった久保木愛弓容疑者(31)を逮捕した。久保木容疑者は「入院患者20人ぐらいにやった」と話しているという。


 久保木容疑者は県内の高校から看護の専門学校に進学。卒業後の2008年に看護師免許を取得した。別の病院での勤務を経て、15年5月から大口病院に勤めていた。

 「問題のあるスタッフという認識は全くなかった」。病院関係者は久保木容疑者についてそう語る。別の病院関係者は「何を考えているかわからないところはあったが、仕事はできるという評価だった」。

 病院の4階では、16年4~8月に看護師の服が切り裂かれたり、飲み物に異物が混入されたりするなどのトラブルが起きていた。

 その4階の同じ部屋に入院していた西川惣蔵さん(当時88)と八巻信雄さん(当時88)が、同年9月に相次いで不審死した。久保木容疑者を含め、この階で勤務していた看護師に県警は注目。だが、2人の死亡当時、院内には防犯カメラなどはなかった。

 八巻さんに投与されていた点滴のほか、ナースステーションに残っていた未使用の点滴の一部からは、2人の中毒死の原因となった界面活性剤の成分が検出された。約10本の点滴のゴム栓部分には小さな穴が開いており、注射器で混入された可能性があった。

 しかし、この界面活性剤を含む消毒液「ヂアミトール」は院内各所に置かれていた。仕事上扱うのが当たり前のものばかりのため、指紋が出ても不自然ではない。また、複数の点滴から混入の痕跡が見つかったことで、患者を無差別に狙った可能性も浮かび、個人的な恨みなど動機面から絞り込むのも難しくなった。

 県警は、院内にある膨大なものの鑑定を実施。その過程で、当時4階を担当していた看護師全員の看護服を調べたところ、久保木容疑者の服のみ、ポケット付近から界面活性剤の成分が検出されたという。

 一方で、界面活性剤の致死量に関する専門家の鑑定により、亡くなった2人はともに血中濃度が死に至るレベルだったことが判明。殺人容疑に問えるとの見方を強めた。

 県警は6月末、すでに病院を退職していた久保木容疑者から聴取。2日目になって関与を認めたという。(飯塚直人、伊藤和也)

朝日新聞社

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