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狭い場所、ダイバーにボンベ渡しすり抜ける タイ洞窟

7/8(日) 21:32配信

朝日新聞デジタル

 タイ北部チェンライ郊外のタムルアン洞窟に閉じ込められた少年ら13人について、チェンライ県の当局者は8日夜、同日朝からの救出活動で4人を洞窟の外に脱出させたと発表した。4人の健康状態に大きな問題はないという。救出活動はいったん停止したが、残る9人についても9日以降、空気ボンベなどの準備を整え、活動を再開する。

【写真】2018年7月8日午後7時半過ぎ、洞窟から救出された人の一部が乗ったとみられる車列が、タイ北部チェンライ市内の病院に到着した=乗京真知撮影

 県当局によると、少年らが閉じ込められてから16日目だった8日朝、外国人やタイ海軍のダイバーら計18人が洞窟に入り、少年らがとどまる約5キロ奥の場所に向かった。ダイバーらは少年らに付き添って洞窟にたまった水の中を潜水させて救出した。4人は午後5時40分(日本時間同7時40分)から7時50分(同9時50分)にかけて相次いで入り口にたどり着いた。

 当局者によると、1人につき2人のダイバーが付き添い、あらかじめ敷設したケーブルに沿って潜水した。地元メディアによると、狭いところでは、空気ボンベを背中から外して付き添いのダイバーに渡し、すり抜けることが必要だったという。

 救出された4人はいずれも病院に運ばれたが、名前は発表されていない。チェンライ県関係者は取材に「家族に精神的な影響があるから」と説明した。8日は洞窟内に準備していた空気ボンベなどを4人の救出で使い切ったため、救出活動を一時停止。他の少年らは9日朝の時点で、洞窟内にとどまっている。次の救出活動の開始は「準備が整いしだい」としている。

 県当局者は8日朝の会見で、救出活動の開始について「天気、水位、(少年らの)健康状態を考慮して最適な時期だと判断した」と説明。少年らの待機場所の酸素濃度が低くなってきたことや、7日夜から降雨が続き、その後も数日間は大雨が予想されることから、雨水で洞窟内の水位が上がらないうちに救出する決断をしたとみられる。8日も夜にかけて断続的に雨が降り続いた。

 多くが同じサッカーチームに所属する11~16歳の少年12人と男性コーチ(25)は6月23日午後、自転車で洞窟の入り口に乗り付けて中に入ったが、その後の大雨で洞窟内に水がたまって出られなくなった。

 行方不明から9日がたった7月2日、救助隊が洞窟の入り口から約5キロ奥に少年らがいるのを発見。潜水法を教えるなど救助方法を模索していた。6日には救助に加わっていた元タイ海軍の特殊部隊員が、活動中に死亡。少年らに潜水させることを危険視する声も上がっていた。(チェンライ=染田屋竜太)


■タイ北部で少年らが洞窟に閉じ込められてからの経緯(現地時間)

6月23日 タイ北部チェンライ郊外で、サッカーチームの少年ら12人と男性コーチ(25)が国立公園内のタムルアン洞窟を訪れ、大雨による増水で出られなくなる。洞窟の入り口付近で少年らの自転車が見つかり、捜索が始まる。

6月26日 大雨による水位の上昇で洞窟内の捜索を中断。

7月1日 雨が弱まり、捜索活動が本格化。

7月2日 洞窟の入り口から約5キロの岩場に少年らがいるのを英国人ダイバーらが発見。13人全員の無事が確認される。

7月4日 ダイバーを通じて少年らから家族の元に「元気だよ」などといったビデオメッセージが届く。救出のため、タイ海軍のダイバーが少年らに潜水の訓練を始める。

7月6日 救助に参加していた元タイ海軍特殊部隊員が活動中に意識を失い、死亡。

7月7日 少年らを潜水させて救出するための予行演習を実施。

7月8日 午前10時から救出活動が始まる。

     午後5時40分~午後7時50分に4人が救助される。

朝日新聞社

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