ここから本文です

“値切り”でエンタメ体験! 大阪の仕掛け人がシャッター街を『SNS映え市場』に変えた

7/8(日) 14:00配信

関西テレビ

大阪市内のとある市場。ここで、最近見なくなったある光景が…。

店員:「1800円は?」
女性客:
「(無言で微笑みながら、指で「5」を示す)」

店員:「え?1500円?」
女性客:「あかん?」

客と店が繰り広げる『値切り交渉』!

薄田ジュリアキャスター:「4500円!」
店員「無理です(即答)」

異色の商店街、人気の秘密に迫ります!

<値段交渉を市場の“エンタメ”要素に>

「これなんぼ?」「まけて~な!」

商人の街・大阪の日常だった、そんな「値切り」が復活していると聞き、やってきたのは通天閣近くにある新世界市場!(大阪・浪速区)

昭和の昔懐かしさに加え、赤提灯と流れる音楽で異国のような雰囲気も漂う中、新世界市場で毎週日曜日に開催されているのが『Wマーケット』。

週末市場を意味する「ウィークエンドマーケット」の略で、手作りのアクセサリーや革製品、コーヒーショップなど、20軒ほどのお店が週替わりで出店しているんです。

薄田キャスター:
「こんにちは~。かわいい!ドライフラワーですか?」

店員:
「そうですね。ハーバリウムっていうお花のオイル漬けです」

薄田キャスター:
「おいくらなんですか?」

店員:
「おいくらだったら買うんでしょう?」

薄田キャスター:
「…え!あ?そういう感じ?あえて値札をつけてないんですか」

このマーケット、実は商品に値札がないんです。値段はお店の人と直接交渉して決めます。

お客さんの大胆な値切り方に、お店の人がタジタジとなることも…。

女性客:
「普通の商店とかやったら、『大阪のおばはんがめついな』みたいに思われそうやけど、ここは値切るのが当たり前みたいな感じじゃないですか。だから、当然のように値切れるっていうのは良いです。ここで練習してほかの店で値切れたら(笑)」

『Wマーケット』の仕掛け人は、イベント会社の森田純多さん。なぜ、値札をつけないのか聞いてみると…?

Wマーケット仕掛け人・森田さん:
「ネットでモノが買える時代で、簡単にワンクリックで買えると思うんですけど、値札をなくすことで、値段交渉っていうエンターテインメント体験を、付加価値として楽しんでいただければなと」

<薄田キャスター、本気で値切ってみた>

ということであれば…、薄田キャスターも「値切り」に挑戦!

映画『君の名は。』で注目された伝統工芸“組紐”のお店に、着物が大好きな彼女の気になるものが…。

薄田キャスター:「これは帯締め?帯締め?」

店員:
「そうです。今は機械で組んでるのもあるんですけど、これは手です」

薄田キャスター:
「って聞くとね~…。すごい値切りにくい状況ですね、これは…」

店員:
「6000円とか7000円で。安いでしょ?」

薄田キャスター:「…」

店員:「5500円でどうです?」

薄田キャスター:「……4500円!」

店員:
「無理です!絹糸ですから、糸そのものが高いんですよ。私の工賃も要りますので…。5000円。もう、それ以下は無理です」

薄田キャスター:「じゃあ、5000円で」

店員:「ありがとうございます!」

作り手の思いを聞き、家電製品を値切るのとはまた違うつらさがあったと語る薄田キャスター。その分大切にしよう!と誓ったのでした…。

<新たな仕掛けで既存店の売上もアップ>

取材を進めていて気になったのが、なぜ今、新世界市場で値切りイベントなのか、ということ…。

仕掛け人・森田さん:
「そのままにしていくと、どんどん新世界市場が衰退してしまうので…」

大正3年にできた新世界市場。最盛期には身動きがとれないほど賑わっていましたが、現在は、商店街の7割が空き店舗。

マーケットのない平日は、いわゆるシャッター商店街です。

仕掛け人・森田さん:
「少し新しいやり方と、新しい見せ方をミックスしながら、残していくことができれば…と考えています」

大阪出身の森田さんは、商店街の活気を取り戻そうと、このWマーケットを去年から開催。

すると、どこか懐かしいレトロな空間が「インスタ映えする」と若い世代にも人気が出ました。

Q.商店街をご覧になっていかがですか?

観光客の女性:「昭和!」
同・男性:
「昔っぽい雰囲気がなんかいいと思います」

マーケットの評判はSNSで広がり、平日は閑散としている商店街ですが、日曜日には賑わいが!1日平均2000人ものお客さんが訪れるほどの人気なんです。

さらに、元々この商店街にあるお店にも変化が…。

パン屋さん:
「売れ行きも良くなってます。やっぱり2割~3割はアップしてます。また来てくれはる方、リピーターさんが多いですね」

中には、マーケットに訪れるお客さん向けに新商品を開発したというお茶屋さんも…。

お茶屋さん:
「売り上げは、通常の日曜日と比べて、Wマーケットをやりだしてから3倍ぐらいになりました。そやから僕、日曜来るのが楽しみで」

<一番人気の“出店者”には開業資金が>

しかし「値切り」が前提だと、出店側にメリットがあるのかどうかが気になるところ…。

男性客:
「(店員に何かを渡して…)はい、がんばって」

店員:「ありがとうございま~す!」

お客さんが渡していたのは「応援カード」。実は、お客さんの投票で年間一番人気となったお店に、イベント会社から開業資金500万円が贈られるんです。

アクセサリーショップの店主:
「1位をとって、ここに店舗持ちたいなっていう風に思って、参加させてもらったんですよ。通天閣っていう観光スポットでもあるし、ここを盛り上げていけば、どんどんお客さんも来るかなと」

森田さんが考える、Wマーケットの今後の展開は…?

Wマーケットの仕掛け人・森田さん:
「こちらから積極的に(出店者を)空き店舗にマッチングをさせていただいて、商店街で商売を始めてみませんか?ということに、今後はつなげていきたいなと思っています」

街の商店街が、新たな取り組みで活気を取り戻そうとしています。


(関西テレビ6月26日放送『報道ランナー』内「なるほど!ちまたのケーザイ学」より)

最終更新:7/8(日) 14:00
関西テレビ