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中国でも激戦就活。新卒AI人材に875万円の初任給--「普通の学生」は薄給インターンから

7/8(日) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

「中国での仕事は本当に大変ですよ」

こう嘆いたのは、中国大手IT企業で広報として働く張さん(仮名)だ。筆者の現地取材に丸1日同行してくれたのだが、休憩時間にお茶を飲んでいると、ぼそぼそっと愚痴を言い始めた。

【画像あり】中国でも激戦就活

張さんは1年前まで大手新聞社に勤務、退職後に自媒体(SNS上でニュースや読み物を提供するメディア)を立ち上げたが失敗。今の会社に転職したという。

待遇はいいし、暮らしは豊かになった。

張さんだけではない。ドン シャオピンが主導した改革開放から40年、中国は世界第2の経済大国へと成長。この間に1人当たりGDPは30倍弱にまで上昇した。

それだけ生活の質も向上したが、「楽になった」という実感はないようだ。特に都市部では中産階層は仕事のノルマと物価上昇に追いまくられ、ストレスフルな生活を余儀なくされている。

「競争が激しくて、結果を出さないと生き残れないんです。成績を出せない社員を切って新陳代謝を図るのは珍しい話じゃありません。中国では給料に占めるボーナスの比率が高いんですけど、これも成果給。マンションの値段はがんがん上がっていて、相当稼がないと買えない。夢のマイホームは遠のくばかりです」

成果を出した分だけ見返りがあり、業績を出せないとあっさりクビになる。中国にもゴリゴリの市場原理が導入されたわけだ。

実は、働き出してからだけではなく、就職前から個人の市場価値がきっちり測定されてしまうのが今の中国だ。さまざまなパターンがあるが、今回は都市部の4年制大学の卒業生を想定してご紹介したい。

人工知能専攻はやっぱり引く手あまた

日本企業ではオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)が一般的だ。素質ある人材を採用し、時間をかけて自社で鍛える。だから現在の力よりも将来の伸びしろを見る。

しかし、中国ではサクサク転職するのが当たり前。即戦力しか価値を持たない。日本流に「学生時代は部活で頑張りました」などとアピールしても、「それが仕事の役に立つわけ?」と見向きもされないだろう。

そんなわけで、人気の専門分野を名門大学で学んだ学生たちは引く手あまた、なおかつ最初から好待遇だ。2017年に広東省深セン市で行われた就職説明会では、人工知能(AI)専攻の新卒生に初年度50万元(約875万円)もの高額給与が提示されたと話題になった。ただしその話にはオチがあって、AI専攻の学生たちはすでに青田買いされた後で、説明会にはほとんど来なかったそうだ。

どんな専門分野を学べば就職しやすいかは、メディアがこぞって取り上げる人気コンテンツとなっており、さまざまなランキングが発表されている。就職しやすさのランキングでは、コンピューター・エンジニアリング、エネルギー・動力エンジニアリングなど工学系科目が上位を占める。人文・社会科学系でも財務管理、マーケティングなど実学分野が強い。

中国では実学重視の教育が行われているため、大学の専門分野がそのまま仕事に結びつくことが多いようだ。

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