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あの頃のゲーム、僕らのGOTY――2003年の個人ベストゲームは?

7/9(月) 11:07配信

IGN JAPAN

あの頃のゲーム、僕らのGOTY――2003年の個人ベストゲームは? - Part 1

IGN JAPANスタッフの個人的GOTYを1年ごとに挙げていく連載「あの頃のゲーム、僕らのGOTY」の第21回、2003年編。今週はダニエル、今井、歐陽、千葉、野口の5名が当時を振り返る。クラベは「だって、『蚊2』を選ぶわけにもいかないだろう?」とだけ言い残して、今回は不参加。 

『グランド・セフト・オートIII』が欧米に2年遅れて日本上陸を果たし、スクウェアとエニックスが新時代に対応するために合併を発表。欧米中心に大きくシフトしたゲーム業界の影響が日本にも確実に届いていた2003年。
そんな時代において、日本人ゲーマーを虜にしていたのがホラーゲームだった。人気シリーズの最新作『SILENT HILL 3』はもちろん、『SIREN』や『零~紅い蝶~』といった和風ホラーも注目を集めた。その1年前の年末は日本のホラー映画をアメリカ風にリメイクした『ザ・リング』が上映され、日本のホラーがさまざまな媒体で世界に進出していた時代だ。2017年に掲載したIGN USのホラーゲームランキングを見てもわかるように、このジャンルにおいて国産タイトルは他を圧倒しており、前述した2003年の『零~紅い蝶~』も6位にランクインしている。
2003年は、のちに世界の最も人気あるゲームシリーズに成長すると言っても過言ではない、あの『Call of Duty』が初登場した年でもあり、日本でも12月にPC向けにリリースされた。つまるところ、2003年は日本人にとって、初めて『グランド・セフト・オートIII』と『Call of Duty』に触れられる年であり、ここからは少しずつ海外のゲームが国内でも受け入れられるようになっていった。
千葉芳樹『零~紅い蝶~』


三人称視点の和風ホラーアドベンチャーに、一人称視点の戦闘を融合させた『零』シリーズ第2作。「射影機」と呼ばれるカメラで怨霊を撮影して倒す戦闘は、恐怖の対象を一人称視点で捉える必要があり、「発明」といっていい代物。怨霊の攻撃に合わせて撮影する(いわばカウンター)ことでノックバックやコンボ判定などのメリットが得られるため、熟練者でも怨霊を見続けるデザインなのも秀逸だ。敵が霊であるため、消えたり現れたりといったことも自然で、それが索敵を促すのも素晴らしい。また、畳やふすま、囲炉裏などが目を引く古い日本家屋を舞台としていること、着物姿や宮司の格好をした霊が現れることなど、今も数が少ない純和風な設定と見た目も大きな魅力。
ここまで述べたことのほとんどは、2001年の初代『零~zero~』ですでに完成している。しかし、双子の姉妹を主人公に「紅い蝶」の謎へと迫る物語からこちらを強く推したい。過去に行われた凄惨な儀式と、それを追体験するかのような物語はシリーズに通ずるものだが、最初に見られるエンディングはホラーらしい無力感にあふれており、システムの洗練とともにシリーズはひとつの完成形へと羽ばたいたのだ。
野口広志『SIREN』


本作は和製ホラー映画や日本の土着信仰をモチーフとしたホラーアドベンチャー。排他的なとある村落で起きた怪奇現象に巻き込まれてしまった、複数の主人公から物語を追う群像劇だ。『SIREN』の魅力は、考察しがいある民俗学・土着信仰的な物語、古き良き日本を再現した村落、実際の俳優・女優が演じる主要人物の心理描写。そして「視界ジャック」だ。
視界ジャックは、テレビのチャンネルを合わせるような感覚で、屍人と呼ばれる敵の視界を盗むシステム。つまりは、他人が見ている光景を盗み見られるのだ。これを用いれば、プレイヤーは安全な場所から敵のルートを把握できるほか、生前の習慣でその身に根付いた行動を起こす屍人から、鍵となるアイテムの場所など、パズルの解を得ることが出来る。
後に続編の『SIREN2』が発売されるが、そちらも初代と同様に傑作ホラーと胸を張って言える内容になっている。高解像度化を施しただけの単純なリマスターでも良いので、現行機やPCで再び遊び返したいゲームのひとつだ。
歐陽宇亮『Routes -ルーツ-』


記号の寄せ集めを売り物とする萌えゲーが猛威を振るった2003年でも、古き良き時代は確かに『Routes』の中にあった 。

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最終更新:7/14(土) 15:07
IGN JAPAN

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