ここから本文です

名古屋人が「自虐」体質な理由 「ほめてほしいけど卑下したい」 ややこしい「美徳」を漫画家が解説

7/12(木) 7:00配信

withnews

 4月に名古屋で勤務を始めてから、名古屋の人々の自虐への対応に困っています。飲食店などで県外から来たと伝えると、返ってくるのは「名古屋、なーんもないところでしょう」という言葉。こちらが名古屋の魅力を伝えても、「いや、でも」と否定されるか、ほとんど反応がないかのどちらかです。一体どうすればいいのでしょうか。「名古屋あるある」を描いた漫画「八十亀ちゃんかんさつにっき」作者の安藤正基さんに聞くと、複雑すぎる名古屋人の心情がみえてきました。(朝日新聞名古屋報道センター記者・山下奈緒子)

【画像】名古屋に赴任して驚いたこと5選 味噌汁・車道・飲み会……コーヒーにうどんは本当です

「名古屋城」に手応えなし

 最初にこの言葉に出あったのは、名古屋生活2日目の夜でした。飲食店で前日に引っ越してきたばかりだと伝えると、店主は間髪入れず「なんもないでしょう」。

 とっさに「いやいや。すてきじゃないですか。名古屋城行ってみたいんですよ」と返しましたが、「そうですかねぇ」と、まったく手応えが感じられませんでした。ありきたりな場所しか提示できなかったことが原因だと反省し、次の機会に備えました。

2度目もまた手応えなし

 毎朝の名古屋モーニング、休日は名古屋城や犬山城、名古屋メシざんまいで楽しんだ5月、別の飲食店でその機会は訪れました。

 モーニングの魅力や、街がコンパクトで徒歩圏内で欲しいものが手に入る住みやすさなど語りましたが、反応はほぼありません。「まだ駄目なのか」と落ち込みました。その後も、いい反応を得られたことはありません。

名古屋人の心情を解説していただきます

 愛知県在住で「漫画をきっかけに名古屋愛が深まった」安藤さんと、隣で聞いていた岐阜出身の担当編集者・足立泰宏さんに名古屋人の心情を解説していただきました。足立さんは、名古屋は日本の中心だと思っていましたが、東京に住んで名古屋の影の薄さに驚いた経験をもっています。

「外からはほめてほしい。でも、自分たちは卑下したい」

――反応がいまいちで、「その程度かよ。名古屋をなんにもわかってないな」と心の中で舌打ちされているのでは、とおびえています。

安藤さん「それでいいんですよ」

――え、いいんですか。まったく手応えはなかったですよ。

安藤さん「確かに名古屋の人は、名古屋に対して愛がない発言をすることが多いです。名古屋城と言われたときに、名古屋城はこうだから駄目なんだよって言いたいんです」

――どういうことですか。

足立さん「むしろそこは自分たちの所有物じゃないですか、名古屋城って。自分たちの所有物に対して、外からはほめてほしい。でも、自分たちは卑下したいって気持ちもあるんですよ」

安藤さん「複雑な感情を持っているのが名古屋人なんですよね。自虐はしたいけど、他虐はされたくない」

足立さん「だから東海より外ですっていう人から、名古屋のことを悪く言われると普通にむっとするんです」

1/3ページ

最終更新:7/12(木) 9:41
withnews