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元祖ツヨカワクイーン 山本美憂【ジョシカク美女図鑑 第4回】

7/9(月) 10:06配信

TOKYO HEADLINE WEB

「すべてのことには意味がある」という言葉を胸に戦う女子レスリングのパイオニア

 女子格闘家の素顔に迫るインタビュー企画「ジョシカク美女図鑑」。第4回はレスリングから総合格闘家へ転向した山本美憂にインタビュー。

 山本美憂は総合格闘家・山本“KID“徳郁の姉で、妹の山本聖子とともに女子レスリングで活躍。13歳でレスリングの「第1回全日本女子選手権」に優勝。世界選手権も3度制すなど輝かしい実績を持つものの、全盛期にはオリンピック種目に女子レスリングがなかったことから、オリンピック出場は果たせていなかった。2016年にはカナダ代表としてリオデジャネイロ五輪出場を目指すのだが、こちらは国籍変更の手続きが間に合わず、選考会出場すらも阻まれるという形で断念。その2016年9月にRIZINで総合格闘技(MMA)デビューを果たし、現在に至っている。
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 美憂は「RIZIN.11」(7月29日、埼玉・スーパーアリーナ)のスペシャルワンマッチで石岡沙織と対戦する。まず、対戦相手についてはどういう印象を?

「昨年4月のRIZINでのベスターレ・キシャー戦と8月のDEEP JEWELSの浅倉カンナ戦を見ましたが、やはりMMAでは大先輩というか、立ち技も寝技もできるすごい経験を積んできた選手だと思います」

 手ごわい?

「そういう選手と戦うときというのは、少しのミスでも許されないなと思っています。こちらは向かっていく側なので、思う存分、思いっきりぶつかっていきたいです」

 昨年10月の「RIZIN女子スーパーアトム級トーナメント 1回戦」アイリーン・リベラ戦で敗れて以来の復帰戦。この間はどのような心持ちで過ごしていた?

「MMAデビューしてから試合が続いて、いつも試合のための練習になっていました。私の場合はレスリングが土台となっているんですが、そこにいろいろなものを吸収してビルドアップしていくという時間がなくて、MMAの選手としての太くしっかりした柱を作るという作業ができていませんでした。私はRIZINは家族のようなものだと思っているので、負けた時点で榊原さんに“しばらく試合に出るのは控えて、そういうトレーニングに励みたい”という相談をさせていただいたんです。それは榊原さんもすごく理解してくれて、この期間、成長するための時間を与えてもらいました」

 では満足できる練習ができた?

「まだまだ伸びしろはいっぱいです(笑)。でもまだ2カ月あるので、そこでがっちりと作り上げていきたいと思っています」

 充電期間があってずいぶん手ごたえを感じているように見えます。

「毎日自分が、昨日の自分より強くなることを考えて頑張っています」

 デビュー戦のRENA戦は美憂選手が勝つのでは?という声も多かった。

「周りのみんなが思っていましたし、私自身も思っていました(笑)」

 RENAに敗れ、2戦目のアンディ・ウィンにも敗れてしまった。

「MMAは一筋縄ではいかないですね。性格にもよると思うんですが、私はけっこう勢いで行っちゃうタイプ。全部勢いですよね(笑)。だから、経験のなさもあっていろいろな落とし穴がある。そういったミスは先輩たちは見逃さないですよね。でもこの勢いを私は止めるつもりはないので、この勢いの中で自分がいかにミスをしないで相手をつぶしていくか。それが課題なので、このまま誰にも負けないスピード、勢い、パワーで突き進んでいきます(笑)」

 現在、女子格闘技の人気が高まっている。自身のデビュー戦であるRENAvs山本美憂戦から一気に格闘技界以外にも遡及したというところもある。また5月29日に行われたカード発表会見は女子選手だけで行われるなど、RIZINにおいては女子格闘技の存在が日に日に大きくなっている。現在の状況を率直にどう思う?

「昔では考えられなかったですよね。昔は女子はおまけというか、おまけ以前に“えっ? 女子?”みたいな感じでしたから。今回のように女子だけで会見を開いたり、私たちがたくさんお客さんを呼べるということは本当に想像していませんでした。でも私は入ったばかりのまだ新人。今までそうやって作り上げてきた選手たちの努力のおかげで、こういう舞台に立てることができて私は本当に幸せだと思っていますし、感謝しています。せっかくこの場に立たせてもらっている以上は、次の世代にもちゃんとバトンを渡せるように、今ここで自分が頑張って、もっともっと盛り上げていきたいと思っています」

 オリンピックでは全盛期に女子レスリングが正式種目にはなっていなかった。このMMAについては現役選手として間に合って良かったという感じ?

「間に合ったというか、自然と自分がそういうタイミングで生きているんだなと思いました。オリンピックに出られなかったから今がある。レスリングのブランクが7年あったから、今まだ現役を続けていられる。“すべてのことに意味がある”といつも思っていて、多分そういうことがなかったら早いうちに自分は現役から遠ざかっていたのかなとも思うんです」

 ずっとレスリングをやっていたら、そしてオリンピックにも出ていたら、もう満足してしまっていたかも?

「ええ。また違った道に進んでいたと思うんです。だけど、いろいろな波とか回り道があって、自分が今ここに居る。だから本当に…うん。自分が思うのはすべてのことには意味があるということ。そしていつも思えるのは“今は幸せ”ということなんです」

 日本では多分知らない人はいないであろう山本一家の一員に聞く質問ではないかもしれませんが、なぜ格闘技を始め、そしてなぜ格闘技を続けているのでしょう?

「(笑)レスリングはうちの父がやっていて、弟が始めて、それで私も始めました。MMAについては、レスリングでオリンピックを追いかけてきて、2016年のリオ五輪ではカナダの代表としてオリンピック出場を目指したんですが、国籍の問題などで予選会に出られなかったんです。それでも、“ここまで頑張ってきたのだから、まだ現役を辞めたくないな”と思ってレスリングを続けていたんですけど、やはり気持ちに区切りがついてしまったところで、このMMAの話が来ました。それまでうちの弟の凄さというか、なんというのかな…カッコ良さというか(笑)、そういうものを見てきたんですが、今度は自分がそこに加われるチャンスが来たと思って転向することにしました。今まではそんなことは考えていなかったし、もし、そのタイミングより前にお話をいただいていたら、絶対にやっていなかったと思うんです。だからオリンピックには挑戦できなかったけど、それがあったから今があるのかなと思います」

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最終更新:7/9(月) 10:06
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