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「150年に1度の雨」想定も…寺内ダム“貯水限界”寸前に 福岡県朝倉市

7/9(月) 10:13配信

西日本新聞

 今回の大雨の影響で、福岡県朝倉市の寺内ダムの貯水位が6日夜に一気に上昇し、下流の佐田川が氾濫する恐れが高まる緊急放流の一歩手前に迫った。同ダムが洪水を防げる水準を示す計画規模は「150年に1度の雨」、想定する最大流入量は毎秒300トン。ところが同ダムでは、2年連続でこの計画規模を超えた。従来の治水計画の前提が崩れかけている。

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 6日午後9時、朝倉市役所に寺内ダム管理所から連絡が入った。「3時間後、緊急放流の可能性がある」。降り始めから満水状態だったダムに、1時間連続で毎秒300トンを超える水が流入していた。下流域の氾濫を防ぐには、放流量を最大毎秒120トンに抑制する必要がある。その場合、貯水位は急上昇し、降り続けた上、緊急放流しなければダム決壊の恐れもあった。

 幸い、予想に反して雨雲が南下。流入量は6日午後9時の毎秒337トン、貯水位は7日午前3時の標高128・19メートルをピークに減少した。超えてはいけない「洪水時最高水位」(標高131・5メートル)まで残り約3・3メートルに迫っていた。

「今後も幸運が続くとは限らない」

 「150年に1度の雨」。これは1953年に死者147人を出した筑後川大水害に匹敵する水準を意味する。同ダムは昨夏の九州豪雨時も、この規模を超える雨を経験した。流入量は最大毎秒888トン。偶然渇水だったため空き容量があり、緊急放流せずに持ちこたえた。貯水位は標高130・93メートルに達した。

 緊急放流は佐田川が注ぐ筑後川の水位を上昇させ、流域全体に大きな影響を及ぼす恐れもあった。朝倉市の恒吉徹・復興調整官は「今後も幸運が続くとは限らない」と避難計画策定を急ぐ。

 九州大の小松利光名誉教授(防災工学)は「気候変動で豪雨災害のリスクが高まる一方、ハード対策には限界がある。災害が起こりうることを前提に、近所の一時避難場所を確認しておくことが大切だ」と訴えた。

西日本新聞社

最終更新:7/9(月) 10:13
西日本新聞

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