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W杯観戦の中国人、ギャンブルはまり250万円負け 「離婚よ!」と妻

7/9(月) 19:15配信

東方新報

【東方新報】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)激戦の真っただ中、中国のチャットツール微信(ウィーチャット、WeChat)やQQでは試合状況や賭けの倍率について話し合うグループが乱立し、多くの賭け事好きな人たちを誘惑している。

「サッカーをもっと情熱的に」といった言葉は敷居が低く感じられるのか、一時の好奇心や衝動でギャンブルに足を踏み入れている若者は多い。しかし踏み入れたが最後、儲かることはめったになく、抜け出せなくなってしまうのだ。

 サッカーのギャンブルにはまるのは、賭け事好きな人たちだけではない。6月30日、中国人サッカーファンの呉さん(仮名)はロシアから帰国する飛行機の中で、二度とこの悲しみの地には来るまいと胸に誓った。

 約1か月前、ナイジェリア対アルゼンチン戦のチケットを手に入れた呉さんは大喜びだった。26日にロシアに降り立ち、ホテル隣のバーに行った。

 店内は客で混み合っており、壁の大画面でスペイン対モロッコ戦の生中継が映し出され、スペインのユニフォームを着たサッカーファンで沸き立っていた。呉さんが店内に座って間もなく、隣に座っていた金髪の中年男性が興奮気味に、「君はどっちに賭けたの?」と話しかけてきた。

 バーの店長が、サッカーファンを呼び込むためにスポーツギャンブルを行っていたのだ。国際的なブックメーカーのオッズをもとに、客が現金を賭けていた。

「もちろんスペインだよ!」。一度も賭け事などしたことのない呉さんだったが、10米ドル(約1100円)を賭けた。バーの熱狂的な雰囲気に染まり、呉さんも興奮してきた。

 ■のめり込むあまり、試合観戦券売り払う

 スペインとモロッコは2-2の引き分けとなり、10ドルはすってしまったが、呉さんはすでにとりこになっていた。

 二日目以降も、インターネット上やバーで毎日、金を賭けた。のめり込みすぎた呉さんは、やっと手にしたはずの観戦チケットも、「そんな試合興味ないよ!賭けなきゃ面白くない」と言って売り払ってしまった。

 しばらくして呉さんは、中国にいる妻からの電話を受けた。妻のスマホに銀行からの引き落とし記録の通知メールが届いていたのだ。妻は、呉さんがわずか数日で15万元(約250万円)下ろしていることを指摘した。夫婦二人の半年分の給料と同じ額だ。

「これ以上賭けたら、もう離婚だからね!」

 妻の言葉で、呉さんははっと我に返った。呉さんは、「普段は細かい出費もやりくりしているのに、賭け事をしている間は完全に金を金として考えていなかった。もし妻が電話をくれなければ、どこまで落ちていたかわからない」と後悔している。

 W杯はくじなどのギャンブル業界で大人気だ。中国民政部管轄の体育彩票管理中心によると、サッカーくじの普段の売り上げは1週間で14億元(約230億円)程度だが、W杯が始まった直後の1週目は73億元(約1220億円)まで跳ね上がったという。

 中国国内のサッカーくじなどの売り上げは公益資金などに充てられているのに対し、海外で行われるスポーツギャンブルは営利目的で行われており、ギャンブル会社が打ち出す高オッズが中国国内の賭け事好きな人たちも引きつけてしまう。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:7/10(火) 7:35
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