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死と再生~石牟礼道子『沖宮』この秋に熊本公演

7/10(火) 20:32配信

RKK熊本放送

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今年2月に亡くなった作家、石牟礼道子さん原作の新作能の公演が、この秋、熊本、京都、そして東京で予定されています。
能衣装が製作されている京都の工房で、石牟礼さんが衣装に込めたこだわりを教えてもらいました。

織られているのは、この秋、上演される、作家・石牟礼道子さん原作の新作能「沖宮」の主人公2人の衣装です。石牟礼さんは、長年の盟友である京都の染織家・志村ふくみさんに衣装の製作、監修を依頼していました。

「なかなか実現しませんでして、とうとう石牟礼さんは、残念なことに先日お亡くなりになりましたよね。それで私は本当に胸がつぶれたんですけど、なぜかどうしてもこれは実現しなければいけない、石牟礼さんのお気持ちを成就しなければいけない、日本のこれからのためにも石牟礼さんの「沖宮」を立派に舞台に乗せて差し上げなければいけないと」(染織家・随筆家志村ふくみさん)

『沖宮』の舞台は天草。島原の乱で散った天草四郎と、村の雨乞いの人柱となって海に沈む少女との、死と再生の物語です。

石牟礼さんは、能舞台の衣装で色にこだわりました。四郎の衣装には、臭木で染めた「みはなだ色」、少女あやの衣装は、紅花で染めた「緋色」です。志村さんに衣装を依頼したことにも能のテーマのひとつ「死と再生」が関係しているようです。

「その糸をどうやって染めるかというと、いまだったら桜、ちょっとまえなら梅、桃、の季節に、少し蕾が出かかった頃に、桜なら桜を切って炊き出して、色をいただいていくわけですけれども、桜の命もいただいて、蚕の命だった糸に染まり付いていくわけですから、桜が糸に転生していくわけですよね。すべてが、死と再生になっている。そこを道子さんは見抜いていらっしゃる。」(衣装監修の志村洋子さん)

「あの方は、生贄ではない、復活だと、蘇りだと、海からの命の蘇りを表現したい、私はそのことを伝えたいのだと、石牟礼さんはきっとあの世からそのことを願って、私たちに力を与えてくださると思います。」(志村ふくみさん)

石牟礼さんの思いが再生する舞台、「沖宮」熊本公演は、10月6日水前寺成趣園能楽殿です。

「沖宮」の公演は東京・京都・熊本でありますがチケットは全て完売しています。今週土曜日(14日)に開かれるシンポジウムは若干席の余裕があるそうです。「沖宮」に込められた石牟礼さんと志村さんの思いや作品の意味について、4人の出演者が語り合います。シンポジウム新作能「沖宮」を語る~石牟礼道子と志村ふくみの世界~今月14日(土)熊本日日新聞社本館2階ホール出演:伊藤比呂美・渡辺京二・跡上史郎・坂口恭平

RKK熊本放送

最終更新:7/10(火) 20:32
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