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今度は窃盗…“犯罪のデパート”に成り下がった巨人軍の病巣

7/10(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 不祥事の連鎖が止まらない。

 同僚のユニホームやグラブなど約110点を盗んで契約解除された元巨人の柿沢貴裕(23)が8日、神奈川県警多摩署に窃盗容疑で逮捕された。

 2016年オフに楽天からトレードで移籍した柿沢は、今年5月から6月にかけ、ジャイアンツ球場内のクラブハウスで、阿部や坂本勇らの野球道具を12回に分けて盗み、都内の中古ブランド品買い取り専門店に売って100万円の売却益を得ていた。

「そもそも巨人は何で、柿沢を取ったのか。あいつの楽天時代のアダ名、知ってる? ルパンだよ」と、さる球界OBはこう言った。

「楽天時代から手癖が悪く、二盗を決めるたびに、ベンチで選手が『さすがルパン』と囁いていたほど。もちろん盗むのはモーションだけじゃない(笑い)。そんな素行が影響したのか、キャンプで脱水症状になった時も、『あいつ、仮病じゃないのか』っていう関係者もいたくらい。今回、巨人内では『モノがなくなり始めてから、ダレがやっていたのか察しはついていた』っていう声も聞く。岡本なんて、5個も6個もグラブをパクられたって話さ。編成、スカウトを含め、調査不足、見る目のなさが招いた結果ですよ」

 巨人は柿沢を解雇した同日、SNSで裸動画を拡散した篠原、河野に今季終了までの出場停止と罰金を科し、2人との会食に坂本勇が同席していたことも公表。坂本勇は不適切行為が起きる前に退席していたとして厳重注意としたというが、15年に野球賭博問題で逮捕者が出たのを皮切りに、16年には「声出し」による金銭授受問題が発覚、17年は山口俊による傷害、器物破損事件が起きた。天下の巨人軍が「犯罪のデパート」と化しているのだ。

 なぜこうも次から次へと巨人で不祥事が起こるのか。

 昨年6月に就任した石井球団社長は、「コンプライアンスの徹底など子供たちに恥じることのない、胸を張れるチームをつくる」と宣言していたものの、傷害に続いて今度は窃盗事件。巨人は今後の対策として、選手ロッカーの見回り、生活相談の窓口設置を検討しているというが、病巣はもっと深いところにあるのではないか。

■「何でもできると勘違い」

 日刊ゲンダイは16年、野球賭博事件や原辰徳前監督の1億円恐喝事件などをまとめた「巨人軍『闇』の深層」の著者・西﨑伸彦氏にインタビューを行った。西﨑氏は不祥事の連鎖を招く根源は1978年の江川事件にあると指摘し、こう語っている。

「通底しているところはある。この事件以来、巨人は選手や監督の不祥事に直面すると、法律解釈を徹底的に駆使した理論武装によって全てに対処し、ダメージを最小限にとどめてきたと感じるところがあります。コンプライアンスを旗印に組織を統治している司令塔(コンプラ軍団)が、まるで天才外科医のブラック・ジャックのように表面に表れた病巣を切除します。しかし、根本的に治療していないため、病気の根源が巨人の内部に残り続け、容体が悪化してきた部分があるのです」

 つまり、巨人軍の体質自体に問題があるというのだ。

 スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は「巨人はもはや末期症状に陥っている」とこう続ける。

「巨人はかねて倫理感やルールをないがしろにしてきた歴史がある。読売という巨大グループを親会社とし、我こそが社会正義で、自分たちが社会権力を握っているというおごり、傲慢さがそのまま蔓延していた。それが江川問題や逆指名制度への改悪など、野球界のルールは自分たちが決めるという態度につながった。それは戦後を背負い、大きな影響力があったからこそできたことだが、その巨人も存在価値がみるみる落ち、今や『その他大勢』になっている。読売グループ自体の権威、権力が低下し、不正のチェック機関であるはずなのに、自らを律する力もなくなった。SNSの発展などでこれまでモミ消せたものが、モミ消せなくもなっている。にもかかわらず、いまだに『読売巨人軍』をかさに着て、人気や知名度、潤沢なカネがあるから何でもできると勘違いしているのではないか。親会社も球団も選手も、そのことを自覚していないのが怖い。緩んだタガを締めるのは容易ではありません」

 柿沢逮捕の報を受け、巨人は「元支配下選手が逮捕される事態となり、ファンの皆さまを失望させてしまったことを深くおわび申し上げます。選手に対する法令順守の指導・教育をこれまで以上に徹底してまいります」とコメントしたが、親会社も含めて体質を改めない限り、不祥事はなくなりそうにない。

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