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アジア大会で見たい、青木益未のスマイル全開ゴール

7/10(火) 16:02配信

スポーツ報知

 陸上の日本選手権女子100メートル障害(6月24日)で青木益未(24)=七十七銀行=が初の優勝を飾り、8月下旬にインドネシア・ジャカルタで行われるアジア大会日本代表に選ばれた。レースでは13秒17の自己ベストを記録も、ゴール直後に前のめりで転倒。トラックに強く打ち付けた右肩は脱臼した。診断では完治まで3か月。3週間程度は安静が必要だったという。

 それからわずか2週間。練習拠点の宮城で行われる宮城県選手権(7月7日)の400メートルリレーに出ると聞いて取材に行くと、軽快にトラックでダッシュしている青木がいた。右腕の袖からはサポーターがわずかに見える程度。練習を終えると、満面の笑みで迎えてくれた。

 「いや~、もっと喜びたかったんですけどね。自分も必死で、倒れていたときに(優勝を)知りました。どうしても勝ちたかったので、うれしさとホッとしたのと、あと、痛いのと。いろんな感情でした。でも、医務室で肩をはめてもらったら、痛みが一気に軽くなったんですよ」。

 20年東京五輪を目指す青木にとって、今回の日本代表は譲れなかった。国際陸連が今季からランキング制度を導入。世界選手権や五輪も、この制度を元に出場権が与えられる。アジア大会のポイントは国内大会の日本選手権より高く、ライバルに差を付けるチャンスにもなるのだ。

 春先に左太ももを肉離れした影響もあり、日本選手権までは調子が上がらなかった。それでも、環太平洋大から師事する前村公彦・同大監督、所属先の荒井謙監督から「大丈夫。日本選手権に向けて(状態が)上がっているんだから」と声をかけ続けられたという。「最初は無理と思ったけど、2人から言われ続けて、いけると思えるようになった」。決勝では覚悟を決め、スタートから攻めきった。

 実は「勝利」を想定して優勝インタビューのコメントも考えていた。信じてレースに導いた荒井監督と前村先生、2人への感謝の言葉だったという。医務室直行で、インタビューは行われなかったことが青木の心残りだが「浮かれやすい性格。逆に優勝で喜べなかったのはよかったかもしれない。すぐに次を向けましたから」と前向きにとらえている。

 強化推薦枠で出場した前回の仁川アジア大会は、400メートルリレーで銅メダルを獲得したが“本職”ではスタートでつまずき、予戦敗退。「東京を目指す上で、アジア大会は表彰台。それから世界陸上、五輪と段階を踏んでいきたい」と見据える。時折、レース中でも笑顔で走り抜くこともある青木。宮城県選手権では、七十七銀行チームのアンカーを務め、46秒14の大会新での優勝に貢献したが、このレースの予選でもフィニッシュで晴れやかな笑顔を見せた。アジア大会ではスマイル全開でゴールを駆け抜けてほしい。(記者コラム・遠藤 洋之)

最終更新:7/10(火) 16:02
スポーツ報知