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ノビチョクの初の犠牲者は3月の襲撃事件の残存物に触れた可能性大=英捜査当局の見立て

7/10(火) 15:31配信

FNN PRIME

ノビチョクの初の犠牲者は3月の襲撃事件の残存物に触れた可能性大=英捜査当局の見立て

「彼らの症状は大変重く、結果的にドーンさんは死亡、チャーリーさんは重篤に陥りました。これは、彼らの体内に入った毒(ノビチョク)の量が多かったことを意味します。(ノビチョクが入った)容器を彼らが触ったというのが我々の仮説で、我々は、現在、その容器を探しています。」

【写真】ロシア人元スパイ父娘襲撃との関連は?

“Their reaction was so severe, it resulted in Dawn’s death and Charlie being critically ill. This means that they must have got a high dose and our hypothesis is that they must have handled a container we are now seeking.”

現地時間9日のイギリスのスコットランド・ヤードの声明である。

検査の結果、軍事用神経剤・ノビチョクは、ドーンさん・チャーリーさん2人の掌から体内に入ったことが分かっている。3月のロシア人の元二重スパイ父娘襲撃事件の時と同じである。
しかし、今回の2人は狙われたのではなく、偶然、何も知らずにノビチョクに触ってしまったというのである。

元二重スパイ襲撃事件で使われた容器を偶然触った?

今回の事件は、先月30日の土曜日、ソールズベリーにほど近いエイムズベリーという町のチャーリーさんの自宅で、40代のイギリス人カップル、ドーンさんとチャーリーさんの2人が相次いで倒れ、近くの病院に担ぎ込まれたことから始まった。

病院は当初、薬物の過剰摂取を疑ったが、その後、神経剤で襲われたロシア人父娘と症状が似ていたことから、ポートン・ダウンの専門機関で鑑定したところ、原因はノビチョクという結果が出たものである。

元二重スパイ襲撃で使われたノビチョクと今回のノビチョクが全く同じ物か、最終確認はまだ終わっていないというが、英捜査当局は、3月の襲撃事件の犯人グループがノビチョクが入ったままの容器を何らかの理由でソールズベリーに残し、それを2人が偶然触ってしまった可能性が高いと見ている。

実際2人は、元二重スパイ襲撃事件が起きたソールズベリーを、倒れる前日に訪れたという。この為、当局は、2人のそれぞれの自宅と、2人が訪れたソールズベリーの公園を封鎖し、重点的に捜索している。

ノビチョク入りの容器はまだ見つかっていない。よって、当局の仮説が正しいか否か断定できる段階に至っていないのだが、ノビチョクは無味・無臭で、粉末・液体・気体、様々な形で存在し、一般人が毒物と判別するのは不可能らしい。
専門家は、元二重スパイ襲撃事件でスキルパル氏の家の玄関のドアノブにノビチョクを塗り付けた犯人グループが、その後、例えば、小さな香水入れの瓶のようなノビチョク入り容器を落としたか、発見されることを恐れて捨て、これを数か月後に偶然見つけた2人が拾い上げ、汚染された、というような仮説に言及している。

旧ソヴィエトが開発した第4世代化学兵器に属する神経剤・ノビチョクの実態は明らかになっていないと言われている。
被害者の1人が既に死亡し、もう1人が重篤である限り、彼らが何に触ったのか訊くことはできない。
仮説にすぎないのだが、容器と残存するノビチョクを発見することは、一連の事件とノビチョクの全容解明に向け決定的な意味を持つ可能性が高い。

核兵器や生物兵器と並んで大量殺戮兵器の一つに分類される化学兵器の一種である軍事用神経剤を、ごく普通の町で平気で使用するという犯人グループの精神は、その異常性において無差別テロと大差ない。
英国当局には、彼らを徹底的に追求し、断罪してもらいたい。

フジテレビ・二関吉郎解説委員フジテレビ

最終更新:7/10(火) 15:31
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