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第32回先端技術大賞授賞式 高円宮妃久子さまのお言葉

7/12(木) 7:15配信

SankeiBiz

 まずは西日本で発生した「平成30年7月豪雨」により被災された方にお見舞い申し上げます。亡くなられた方々をお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々が一日でも早く平穏な日常を取り戻されるよう願っております。

 本日、「第32回 独創性を拓く 先端技術大賞」の授賞式にあたり、皆さまとご一緒できますことを大変うれしく思います。このたび、受賞された皆さま、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。

 科学技術がめざましい発展を続ける現代において、日本の独創的な先端技術の研究開発は、世界でも大変高く評価されており、科学技術やイノベーションは2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を達成するためにも重要な役割を果たすことになるでしょう。こうした中、今回も若い研究者の斬新な発想と、それを実現しようとする力強い信念、情熱を強く感じることができ、積極果敢にチャレンジしていく柔軟な頭脳と独創性あふれる思考能力に感心いたしました。また、社会に役立つ製品や技術をさまざまな形で実現された研究者、開発者の創意工夫に、心より敬意を表したいと思います。

 先端技術の研究開発は、私たちの安全や健康、衛生など日常的な暮しを根本から支えています。そして、先端技術の研究開発過程で得られたデータはまさに人類の財産・知的資源であり、その質の高さは「技術立国日本」の国力とも言えます。刻一刻と変化する世界情勢に瞬時的確に対応し、わが国を守り、明るい将来を築いていくためにも、一見目立たない、地道な研究開発の積み重ねに、大いに投資していく必要がありましょう。

 戦後、私たちは安全で豊かに暮らす幸せを当たり前のことと考え、平和な時代を享受してきました。しかし、諸外国と日本の関係は「力関係」あっての「友好関係」であるということをしっかりと理解する必要があります。同僚であろうと国と国であろうと、友好関係を保つためには常に努力が必要です。世界平和は、何もしないで、当たり前にそこに留まってくれるものではありません。国民の平穏を守るにも科学技術は欠かせません。

 科学技術分野では解明を待つ研究領域がまだ数多くあり、若い方々の独創性あふれる研究に期待したいと思います。

 科学技術の力をもって多くを変えることができますが、それがゆえにそれを実用するときの人間の資質が問われます。大惨事につながることも想定できますので、本日ご出席の大学や研究機関、企業、新聞社やテレビ局の皆さまには、家庭や教育の現場、そして社会において、将来を背負ってたつ若者を、しっかりとした理念をもつ人間に育てていただくよう今一度お願い申し上げます。そして、将来を担う人材を育てる土壌としての国づくりに力を尽くしていただければと存じます。

 本日は、科学技術の素晴らしさに改めて思いを致す機会をいただき、ありがとうございました。皆さまの研究がさらに充実、発展していくことを心より願い、また今後のご活躍を祈念して式典に寄せる言葉といたします。

最終更新:7/12(木) 7:15
SankeiBiz