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タイ洞窟 困難乗り越え全員生還 搬送ヘリ通過のたび歓声

7/11(水) 7:55配信

産経新聞

 【チェンライ=吉村英輝】「全ての努力が報われる」。タイ北部チェンライの洞窟に閉じ込められていたサッカーチームの少年ら13人の救出作業が10日、完了した。救出作業中の潜水士が死亡するなど過酷な状況の中、世界が固唾(かたず)をのんで見守った救出劇。救出作業に携わった関係者は、全員生還という結果に感慨をにじませた。

 「イノシシ12匹とコーチが洞窟から出た。全員無事だ」。救出作業に当たったタイ海軍特殊部隊は10日夜、フェイスブックにそう書き込んだ。関係者らはサッカーチーム名にちなみ、親しみを込めて少年らをイノシシと呼称。その後、「奇跡か科学か何なのか分からない」とも投稿した。

 全長約10キロの洞窟内は水がたまり、狭く険しい場所も。入り口から4キロ前後にある避難場所からの脱出は潜水を余儀なくされるため危険が伴った。全員の救出が実現するかどうかは予断を許さない状況だった。

 これらの投稿に先立つ10日午後6時(日本時間同8時)過ぎ、洞窟入り口近くで待機していた1機目のヘリコプターが飛び立った。救出した少年らを乗せ、病院に向かったとみられる。後続のヘリコプターが続き、日没を前に、全員の救出作業が完了した。

 洞窟近くでボランティア活動をしていた市民らは、「全員救出」の一報を笑顔で歓迎した。現場の様子が分からない中、少年らを乗せたとみられるヘリコプターが上空を通過するたびに、拍手と歓声がわいた。

 タイ南部のクラビから救出活動に参加していた男性は、中華料理などの食材に使う「ツバメの巣」を岩場で採取する技術を見込まれ、洞窟につながる穴を探してきた。全員救出の一報に、「うれしい。全ての努力が報われる」と喜んだ。

 タイ保健当局者は10日、既に救出された少年8人について、コウモリなどに由来する洞窟特有の感染症の有無などを調べているが、健康に大きな問題はないとした。最初に救出された4人は、9日にガラス越しに家族と再会し、10日からは普通の食事を取っているという。

最終更新:7/11(水) 9:28
産経新聞