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日枝久・日本美術協会会長 ロンドンの王立芸術院で受賞者発表会見 第30回世界文化賞

7/11(水) 20:09配信

産経新聞

 ロンドンの王立芸術院で11日に行われた第30回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者発表会見には、美術関係者や記者や約100人が出席し、海外メディアの関心を集めた。

 会見では、主催者を代表して日本美術協会の日枝久会長が同協会総裁の常陸宮殿下の「記念すべき第30回受賞者発表にあたり、お祝い申し上げ、世界の人々の平和と協調に寄与することを心から願います」とのお言葉を代読。さらに「芸術は世界の共通言語」として、「国境、人種、言葉の壁を越えて、世界の人々の心を豊かにし、一つにすることができる芸術の偉大な力と芸術家に感謝と称賛の言葉を捧げていきたい」とあいさつした。

 会見では、国際顧問のオックスフォード大学名誉総長のクリストファー・パッテン氏が、英国の文化教育団体「シェイクスピア・スクールズ財団」(SSF)が第22回若手芸術家奨励制度の対象団体に選ばれたと発表。SSFの生徒13人が「ジュリアス・シーザー」の一場面を演じると、会場から温かな拍手が送られた。同団体は、世界最大の若手演劇祭「シェイクスピア・スクールズ・フェスティヴァル」の開催を通じて、若者に自信と自尊心を持たせ、成長を手助けしたことを高く評価された。

 日枝会長は同財団代表、ルース・ブロックさんに表彰状と奨励金500万円を贈呈。ブロック代表は、「時代、国籍を超えたシェイクスピア演劇祭を末永く続けていきたい」と受賞の喜びを語った。(ロンドン 岡部伸)

 ■ピエール・アレシンスキー氏 (絵画部門)

 70年ほど前のベルギーや北欧の前衛美術運動に参加して以来、絵画に対する情愛を一貫して持続。鮮やかな色彩と激しい筆遣いで、独自のスタイルを確立した。ヨーロッパ現代絵画に大きな影響を与え、90歳の今も活躍している点は称賛に値する。

 ■中谷芙二子氏 (彫刻部門)

 イサム・ノグチが彫刻を「大地の彫刻」へ、ジェームズ・タレルが「光の彫刻」へと拡大したなら、中谷氏はそれを、霧を使った「大気の彫刻」へと拡大したといえる。環境意識が高まる中、世界でもまれな「霧の彫刻家」として存在意義を高めている。

 ■クリスチャン・ド・ポルザンパルク氏 (建築部門)

 実践家としての建築家像を大きく変容させ、高い哲学性と芸術性を内在させた建築を強く志向する。コレージュ・ド・フランス(仏高等教育機関)の芸術創造講座で教授を務め、建築を「知の領域」の最先端に引き上げた点も評価される。

 ■リッカルド・ムーティ氏 (音楽部門)

 指揮者としての並外れた業績に加え、特にヴェルディ作品への貢献については歴史的価値がある。コンサートを通して多様な背景を持つ人々をつなぎ合わせる「友情の道プロジェクト」を約20年間も継続。若手音楽家の育成にも尽力している。

 ■カトリーヌ・ドヌーヴ氏 (演劇・映像部門)

 微妙な感情を表現する才能があり、世界の映画界で最も優れた女優の一人。ベネチア、ベルリンの両映画祭で女優賞を受賞。リスクを恐れず、癖のある役に果敢に挑戦して成功を収め、あらゆる層の観客に支持される。社会的発言でも注目されている。

最終更新:7/11(水) 20:09
産経新聞