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豪雨被災の倉敷で救助犬が初出動 真備町地区の不明者を捜索

7/11(水) 1:35配信

山陽新聞デジタル

 西日本豪雨による濁流にのみ込まれた岡山県倉敷市真備町地区で10日、大掛かりな行方不明者の捜索が行われた。自衛隊や消防、警察に交じり、岐阜、兵庫県など岡山県内外から集まった災害救助犬6匹が初出動。照り付ける日差しの下、水が引いたばかりの住宅地を中心に、安否確認に向けて力を尽くした。

 「この家屋の住民の所在が不明。これから捜索を始めます」

 民間団体「緊急救助犬援助隊」の賢持宏昭事務局長(49)=横浜市=の号令に、メンバー5人が表情を引き締めた。

 消防から要請が入ったのは午後2時ごろ。小田川の堤防が決壊した現場から約300メートル離れた同町箭田の民家の住民と連絡が取れておらず、屋内は家財が散乱し捜索は困難を極めるとのこと。名古屋市消防局のバギーカーで急行した。

 「1人でも多く見つけてあげたい」。地元岡山県から参加した小寺貞子さん(54)=倉敷市、高木留美さん(51)=早島町=が力を込めた。それぞれのパートナー犬と災害出動するのはこの日が初めてで緊張感が漂う。

 現場の過酷さは痛感している。9日までに真備町地区だけで28人の遺体が見つかり、午前中もメンバーが活動していたすぐ先の民家で3人が発見されていた。

 木造2階の家屋周辺は深さ約10センチのぬかるみが広がり、屋内は畳がめくれて布団やソファが散乱するなど想像以上の荒れ具合。2階の窓枠の上辺まで浸水した跡が残る。

 行方不明者の発見で警察から3度表彰されたベテラン犬をはじめ、小寺さん、高木さんの救助犬4匹が屋内を捜索。泥だらけになりながら懸命に家中に鼻をこすり付けた。「1階台所、検索中」「2階に上がります」…。ともに捜索する消防隊員の声が響く。

 約30分間。4匹は一度もほえることなく「要救助者なし」の合図で捜索は終了した。

 同援助隊は、全国の災害救助犬育成団体が2016年に結成。個別に出動せずに連携することで効率的に活動できるといい、この日、土砂災害で被害が出た広島県には8人7匹を派遣したという。

 「大規模災害は相次いでおり、決してひとごとではない。できる限りの支援を続けたい」と賢持事務局長。11日にも奈良県から応援が入り、捜索活動を続ける。

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