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数減らす「国鉄型」車両 ひと昔前の音や乗り心地が新たな「価値」に

7/11(水) 16:10配信

乗りものニュース

国鉄の分割・民営化から30年

 現在のJRグループは、1987(昭和62)年3月31日までは日本国有鉄道(国鉄)というひとつの事業体でした。国鉄が分割・民営化された際に多くの鉄道車両がJRに引き継がれました。

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 当時、国鉄の鉄道車両というと、特急形なら回転式のクロスシート(回転させて向きを前後に変えられる座席)、普通列車などに使われる近郊形なら青いモケットのボックスシート、というように全国どこでも均質な車両と設備で、どちらかというと地味な存在でした。

 しかし、JRになって新造車両が増え、国鉄時代の車両が相対的に減ると、これらの車両が「国鉄型」と呼ばれ、ファンに注目されるようになります。

 国鉄型という言葉はファンやマスコミから自然発生したもので、明確な定義はありません。なかにはJR移行後も国鉄時代のスペックで製造が継続された車両もあり、「国鉄型」というにはやや曖昧な車両もありますが、国鉄時代に製造され、使用された車両であれば、おおむね「国鉄型」と呼んで差し支えないでしょう。

 これら国鉄型車両はJR移行後30年が過ぎた現在、老朽化などで次々と引退しています。

 たとえば国鉄型車両を使った特急列車は、JR東日本の「踊り子」やJR西日本の「やくも」、JR四国の「剣山」「うずしお」、JR九州の「ゆふ」「九州横断特急」など、まだ各地で見られますが、「踊り子」や「やくも」は車両の置き換えが検討されており、「うずしお」も2600系をはじめとする後継車両の投入で先行きは不透明。国鉄型車両の特急を楽しむなら、いまが最後のチャンスと言えるかもしれません。

 通勤形・近郊形の車両も、首都圏では鶴見線、川越線、八高線などごく一部を残して置き換えが完了。近畿圏でもここ数年で大阪環状線、阪和線から国鉄型の車両が基本的に姿を消すなど、置き換えは急ピッチで進められています。今後、国鉄型の車両は希少価値をますます高め、ファンの注目を浴びるものと思われます。

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