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国連人権特別報告者「北朝鮮従業員の一部は韓国に行くことを知らなかった」

7/11(水) 7:56配信

ハンギョレ新聞

キンタナ国連特別報告者、従業員一部と面会 朴槿恵政権の「企画脱北」疑惑の一部を公式確認 「韓国政府の徹底かつ独立的な真相究明を要求」

 国連北朝鮮人権特別報告者が10日、2016年4月に韓国に来た中国寧波の北朝鮮レストラン(柳京食堂)従業員たちと面会した後、「(従業員のうち)一部はどこに行くかも分からないまま、韓国に来た」と明らかにした。柳京食堂の従業員らが韓国に向かった当時から、北朝鮮はもちろん、国内でも持続的に持ち上がってきた朴槿恵(パク・クネ)政権による「企画脱北」疑惑を、国連北朝鮮人権特別報告者が一部ながらも公式に確認したわけだ。

 トーマス・オヘア・キンタナ国連北朝鮮人権特別報告者は同日午前、ソウル・プレスセンターで開いた記者会見でこのように明らかにした後、「大韓民国政府に対する私の提言は、最大限速やかに徹底かつ独立的な真相究明と調査を通じて、責任者が誰なのかを究明すべきということ」だと述べた。彼は「彼らが中国から自分の意思に反して拉致されたのなら、犯罪と見なされ得る」とし、「この事件をめぐる犯罪の可能性を調査することは、韓国政府の義務であり責任」だと強調した。今後政府の対応が注目される。

 キンタナ報告者は、脱北した従業員との面会内容について、「彼らが韓国に来た経緯に、一部説明できない部分があるのは明らかだ」とし、「彼らがどこに向かっているかに関連し、騙されたとも言える」と述べた。ただし、彼は、脱北の従業員12人全員ではなく、一部と面会して得た情報だと付け加えた。

 同日、民主社会のための弁護士会(民弁)はキンタナ報告者の面会の状況について、もう少し具体的に伝えた。民弁は、脱北した柳京食堂の支配人および従業員2人と共に、4日午前、ソウル国連人権事務所で、キンタナ報告官と1時間10分ほど面会したとし、「(彼らが)勤務地を変えると言われ、指示に従って移動した後、韓国に集団入国した経緯を詳細に供述」したと明らかにした。また、民弁は「従業員2人は『政府が従業員らを欺瞞し、翌日集団入国の事実を発表してマスコミに大々的に報道させたことで、従業員らが外部との接触を避けるようになった』と話した」と伝えた。キンタナ報告者が「北朝鮮への送還の主張に対する当事者の意見」を訊くと、「従業員らは韓国政府が徹底した真相究明を行い、責任を認めれば、すべてのことが自然に解決するだろうと答えた」と、民弁は明らかにした。従業員らはキンタナ報告者に「娘や家族のことだと思ってこの問題に取り組んでほしい」と要請したと、民弁は伝えた。

 同日の会見でキンタナ報告官は、面談した従業員の中で「北朝鮮に帰りたい」と明らかにした人がいるかについては、言及しなかった。脱北した従業員らの北朝鮮への送還の可否については、「徹底的に彼ら自らが下すべき決定であり、このような決定は尊重されなければならない」と繰り返し強調した。さらに、「南北間の持続的な対話を通じてこのような事案を解決するのが適切だと思う」と述べた。

 北朝鮮レストランの従業員らの「企画脱北」疑惑は、彼らの入国が公開された2016年4月から後を絶たなかった。当時、統一部は記者会見を開き、「(従業員らが)最近、集団脱北を決心した」とし、企画脱北の疑惑を否定した。しかし、今年5月、従業員らの集団脱北を率いた柳京食堂の支配人H氏が放送に出演し、「国情院側の指示を受けて目的地を知らせないまま、従業員たちを連れて脱北した」と主張し、疑惑が再燃した。

 H氏の問題提起に対し、統一部は「新しい主張が出た。事実関係を確認する必要がある」とし、経緯を調査する意思を明らかにした。しかし、同日キンタナ報告者の記者会見後、統一部当局者は「(脱北女性従業員らは)自由意思により入国したと聞いており、それ以外に追加で申し上げることはない」として、口を閉ざした。

 柳京食堂の従業員の問題は、南北間の敏感な懸案だ。北朝鮮側は、南北首脳による4・27板門店(パンムンジョム)会談で合意した8・15離散家族再会行事の開催とこの問題を連携し、韓国政府を圧迫したこともあった。ただし、事の重大さを考慮してからか、北朝鮮はまだこの問題を当局者会談で全面的に提起していないという。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:7/11(水) 7:56
ハンギョレ新聞