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台風8号、先島の生活直撃 キビ、マンゴー被害

7/12(木) 6:19配信

琉球新報

 台風8号は11日午後6時現在、中国南部にあり、沖縄地方から遠ざかった。県内で7人が軽傷を負ったほか、沖縄県によると、先島を中心に農林水産関係の被害総額(速報値)が計8億537万8千円に上った。9日以降、空路280便の欠航で2万7457人、クルーズ船8便の欠航で1万6914人の計約4万4000人の足に影響した。
 11日、宮古島では街路樹の倒木や、信号の停電、農家のビニールハウスの一部損壊などの被害が確認された。石垣島でも各地で倒木により道路がふさがれたり、街灯が根元から折れたりする被害が確認された。竹富町西表島では、プレハブ小屋の全壊が確認されたが、人的被害はなかった。

 9日午前0時から11日午前10時までの間、石垣島の新石垣空港で189.5ミリの雨が降った。気象台は八重山地方では大雨の影響で地盤が緩んでいるところがあるとして、12日未明まで土砂災害に注意を呼び掛けた。また、県内全域で12日にかけて、波の高い状態が続くとして引き続き高波に注意を呼び掛けている。

 沖縄電力によると、11日午前0時に宮古、八重山で最大1万5350戸が停電したが、同日午後5時40分ごろ復旧した。気象台によると、11日午後6時現在、台風8号の中心気圧は980ヘクトパスカルで中心付近の最大風速は30メートル。中国南部を時速30キロで西へ向かっている。
 
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 【宮古・八重山】非常に強い台風8号の直撃を受けた宮古島では一夜明けた11日、停電、街路樹の倒木、農家のビニールハウスの一部損壊などの被害があった。石垣島でも倒木によって道路がふさがれたり、街灯が折れたりする被害が確認され、各地で後片付けに追われる市民らの姿が見られた。懸念されていた農作物への影響について、農業関係者は台風の通過速度が速かったことから「予想よりも被害は少なかった」と胸をなで下ろした。

 収穫時期のピークを迎えているマンゴーにも影響があった。宮古島市上野宮国でマンゴー園を営む田上哲哉さん(46)は「ハウスの3分の1くらいが破れ、マンゴーが落ちていたり、傷が付いたりしていた」としつつも、「通過速度が速かったせいか、思ったより被害は少なく済んだ」と語り、ほっとした表情を見せた。傷の付いていないマンゴーを選別し、出荷準備を進めているという。

 石垣島ではパインのハワイ種も収穫最盛期に入る。石垣島の川原地区でパインを栽培する具志堅正さん(56)は「風が強かったので7割はやられているのではないかと心配したが、折れたのは全体の1割程度だった」と話し、安堵(あんど)する。1週間ほど前から台風対策を取っていたとし、「進路が(石垣島方面に)変わったが、あわてずに対応することができた。県外から注文も入っているが、最小限の被害で済んだので対応できそうだ」と語った。
 
 航空便の欠航や停電など市民の生活にも影響が出た。市内全域で1万戸以上が停電した宮古島市に住む40代男性は「10日夜から翌朝まで停電が続き、エアコンも効かなかったので車で仮眠をとっていた」と疲れた様子で話した。同市内にあるスーパーに買い物に来た久保田晴夫さん(52)=市平良=は「明日朝の牛乳や生鮮食品などを買いに来たが、やはりないようだ」と肩を落とした。同店の店長は「朝7時半から営業を再開したが、客足は落ち着いている。野菜や生鮮・加工食品の入荷は12日午後になる見込みだ」と説明した。

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 沖縄県は11日、県災害対策本部会議(議長・翁長雄志知事)を県庁で開き、台風8号の被害状況と対策について各部局から報告があった。インターネット回線で結んだテレビ会議で、暴風域に入った宮古事務所、八重山事務所の両所長から台風被害や復旧の状況を直接聞いた。

 農林水産部は宮古と八重山地域で最盛期を迎えたマンゴーやサトウキビのほかスイカ、オクラで農業被害が見られ、実態把握のため担当統括監を宮古島、石垣島へ派遣していることを報告した。翁長知事は「時間と共に被害が明らかになってくることがある。しっかりと対応してほしい」と指示した。会議後に対策本部は解散した。

琉球新報社

最終更新:7/12(木) 6:19
琉球新報