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「日本版GPS“みちびき”本格始動で数センチ級精度の位置情報取得が可能」は本当か

7/12(木) 5:00配信

@IT

 スマートフォン(スマホ)にとって位置情報サービスは、欠かせぬ機能となった。例えば、iPhoneの「設定」アプリ内「プライバシー」→「位置情報サービス」を開いてみると、「こんなアプリまで位置情報利用しているの?」と驚かされる。そこには、実用系からゲームに至るまで、あらゆるジャンルのアプリが並んでいる。位置情報はなくてはならない「コンテンツ」として、われわれの生活にしっかりと寄り添っている。

屋外で計測すると7つの衛星が緑色で表示されている。あいにくの雨で短時間の計測に終わったのが残念であった

 iOSにおける位置情報は、衛星測位システム(いわゆるGPS)、Bluetooth、Wi-Fiスポット、携帯電話基地局などの情報を基に割り出している。Androidも似たようなものだろう。ちなみに、Googleのヘルプでは「現在地の推定にはWi-Fi、モバイルネットワーク、センサーなどが使用されます」と記載されている。

 複数の技術的手段で現在地を特定しているスマホの位置情報システムだが、中でも重要な役割を担っているのが、衛星測位であろう。多くのスマホが衛星からの電波を受信するための仕組みを内蔵し、主に屋外での現在地の取得に高い効果を発揮している。

 スマホの位置情報の仕組みは、アプリ開発者に開放されている。iOSの場合は、「Core Location」フレームワークという形態で位置情報を包括的に提供するにとどまるが、Androidの場合は、未加工の衛星測位データを取得するために「Raw GNSS Measurements」でAPIやデータの解析ツールの提供と案内を行っている。Androidの開発者には、オリジナリティーに富んだ位置情報利用の道が開かれているわけだ。

 ただ、筆者を含めアプリ開発者の中で、衛星測位についての十分な知識を有している人は、それほど多くはないようだ。決められたAPIを決められた手順でたたけば、労せずして測位データが得られるわけだから、ブラックボックス化も当然であろう。

 そのような折、衛星測位に関し、複数のアプリ開発者の、真偽に疑問符が付く言説に接した。それは、「日本版GPSが本格始動すれば、数センチの精度で位置情報の取得が可能」というものだ。当初は、なるほどそういうものかと思ってはいたのだが、何となく違和感がある。スマホの測位機能だけでそこまでの精度が確保できるものだろうか。そもそも、スマホのアプリにそこまでの精度が必要とされるのだろうか。

 というわけで、「数センチ級精度の疑惑」を晴らすべく、日本版GPS衛星「みちびき」を所管する内閣府と一般財団法人衛星測位利用推進センター(SPAC)に出向き、話を聞いてきた。日本版GPS衛星は、準天頂衛星システム「みちびき」が正式名称だ。

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最終更新:7/12(木) 18:51
@IT