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新生ウインドリバーが事業戦略を説明、組み込み機器をソフトウェアデファインドに

7/12(木) 10:10配信

MONOist

 ウインドリバー(Wind River)は2018年7月11日、東京都内で会見を開き、同社の事業戦略を説明した。同社は、これまでの親会社だったインテル(Intel)から、投資会社であるTPGキャピタル(以下、TPG)への売却が2018年6月26日に完了しており、新体制のウインドリバーが日本国内のメディア向けに会見を行うのは初となる。

【3段階で進む変化などその他の画像】

 組み込み機器向けリアルタイムOSの「VxWorks」や、組み込みLinux「Wind River Linux」などを展開するウインドリバーは2009年にインテルに買収された。インテル傘下の約10年を経て、今回あらたにTPGの傘下で独立したソフトウェア企業として活動していくことになる。なお、経営陣は、これまでウインドリバーのプレジデントを務めていたジム・ダグラス(Jim Douglas)氏がCEOに就任。取締役会チェアマンには、TPGのテクノロジー投資部門トップのネハル・ラージ(Nehal Raj)氏が務める。

 今回の会見に登壇したのは、ウインドリバーで CSO(最高戦略責任者)のギャレス・ノイズ(Gareth Noyes)氏である。同社に約20年勤めるノイズ氏は、長期的テクノロジービジョンの策定を担当しており、2009年のインテルによる買収も主導している。

 ノイズ氏は会見の冒頭で「TPGの買収によって、ウインドリバーは独立したIoT(モノのインターネット)ソフトウェアをリードする企業として事業を進められるようになった。TPGによる力強いサポートで成長を続けるとともに、さまざまな半導体メーカーと協調してのエコシステム構築が可能になる。もちろん、インテルとの関係もこれまで通り密にしていく」と語る。

 ウインドリバーの主要顧客は、ヘルスケア、エネルギー、プラントなどの「不具合が許されないクリティカルインフラストラクチャ」(ノイズ氏)だ。高可用性、機能安全、制御のリアルタイム性などが求められてきた。同様の要求がある、航空宇宙、産業オートメーション、自動車も重要な顧客である。また、インテル傘下では、ネットワーク機器分野への浸透も進んだ。

 現在、かつては固定的でモノリシックな構成だったクリティカルインフラストラクチャのハードウェアとソフトウェアに新しい技術が求められているという。ノイズ氏は「ITシステムのような近代的アーキテクチャにより、ソフトウェアデファインドにしていく必要がある。そうすることでイノベーションが可能になり、人材不足という課題にも対応できる、セキュリティも満足させられる。エッジやクラウドといったIoTの活用も行える」と主張する。

 その変化は3段階で進む。1段階目となる現在は、IoTのエッジにインテリジェンスが組み込まれつつある。2段階目では、仮想化やワークロードの統合化などによってハードウェアとソフトウェアを分離し、ソフトウェアデファインドが実現する。そして第3段階目において、自己学習するAI(人工知能)の導入に達するという。

 ノイズ氏は同様の方向性について、ロボットを例にした自動化から自律化への道筋を紹介。「従来の産業用ロボットは、1つの機能に特化して制御を行うことで、コスト最適化を行っていた。この場合、ロボットは柵の中で管理する。今後、ロボットと人が密に連携するために半自律化すれば、安全管理が重要になるとともに、プロセスの効率化が求められる。そして、完全に自律化するには、ロボット自身が学習できなければならない。求められるのはビジネスへの最適化だ」(同氏)。

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最終更新:7/12(木) 10:10
MONOist

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