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<西日本豪雨>災害ごみ巨大な山 衛生面も問題 倉敷市真備

7/12(木) 11:31配信

毎日新聞

 西日本を襲った豪雨の被災地で、大量に排出されたごみの処理問題が深刻化している。地区の約3割が水没した岡山県倉敷市真備(まび)町では、空き地や田んぼの一角に泥水につかった家具や家電の災害ごみ、生ごみなどが山積みにされ、異臭が漂い始めている。こうした場所は、地区内で少なくとも10カ所以上で確認された。厳しい暑さが続いており、ごみの片付け作業時の感染症対策も含め、衛生面の問題も懸念される。

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 真備町地区は1級河川の高梁川の支流が決壊し、広範囲で浸水被害が出た。11日昼、地区北部にある住宅街の空き地に、住民らが軽トラックなどで次々に訪れ、家財道具や電化製品、衣類などのごみを置いて去って行った。

 この空き地では水が引き始めた10日ごろから、ごみが集まり始めた。泥まみれの家電や家具などが50メートル以上にわたって高さ2メートルほど積み上がる。ポリ袋に入ったジャガイモや瓶詰めのらっきょうなどの生ごみもあり、鼻をつく臭いが漂う。

 自宅1階が水没した近所の女性(75)も、壊れた冷蔵庫や服、布団を持ってきた。78歳の夫と2人暮らし。女性は「部屋の片付けをしないといけない。申し訳ないけど、ここに捨てるしかない」とうなだれた。

 市は11日、町内に急きょ災害ごみの仮置き場を1カ所開設したが、回収のめどは立たない。市は主に家庭ごみなどの通常の収集業務に追われており、人手が全く足りない状況だ。市の担当者は「今後もごみが増えるだろうが、有効策がない」と明かした。

 土砂被害が広範囲に及んだ広島県呉市でも、ごみ処理が問題になっている。市内には処理施設が2カ所あるが、1カ所は断水の影響で焼却炉の冷却システムが稼働しない。呉市も仮置き場を設けて受け入れを始めたが、担当者は「いつになったら回収できるのか見当もつかない」と嘆く。

 一方、ごみの片付け作業には感染症への警戒が必要だ。日本環境感染学会は10日、被災地での予防策を公表。厚手の手袋や防じんマスク、肌が露出しない服の着用を呼びかける。

 学会によると、水害で流入した泥水には下水や家畜のふん尿などが含まれ、けがをすると傷口から破傷風菌などに感染する恐れがある。ダニや蚊、土ぼこりへの対応も必要になる。賀来満夫理事長は「復旧作業も大切だが、体調に異変を感じたらすぐに医療機関を受診してほしい」と話す。【土田暁彦、竹田迅岐】

最終更新:7/12(木) 14:44
毎日新聞