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追加関税応酬 米中対立危険水域へ 米与党幹部「首脳会談で緊張緩和を」

7/12(木) 7:55配信

産経新聞

 【ワシントン=塩原永久】トランプ米政権が中国に対する一段と強力な制裁準備に入り、世界貿易を牽引(けんいん)する米中の対立は“危険水域”に入った。両国間の公式協議が途絶え、相互不信が募る中、米与党幹部からは米中首脳会談による緊張緩和を求める声が上がるなど危機感が高まっている。

 追加関税を課す中国の輸出品を2千億ドル(約22兆2千億円)相当とする追加制裁で、米通商代表部(USTR)が10日公表した対象品リストの原案には、水産品やエアコンなどの消費者向けの商品も入った。

 6日に発動した500億ドル相当の制裁では中国政府が育成支援するハイテク製品を狙い撃ちにした。今回は中国の主要輸出品の衣類や家具も対象とされ、トランプ政権が真っ向から中国の輸出に打撃を与える戦略に出た様子がうかがえる。

 米政権は9月以降の追加制裁の発動を見据え、8月中に公聴会を開き制裁品の最終リストを決める。関税が上乗せされれば値上げにつながるため、USTR幹部は「消費者への影響も考慮する」としているが、個人消費に冷や水を浴びせかねない。米小売業界団体「小売業代表者協会」は10日、「中国に最大限の打撃を与え、米消費者への痛みは最小限に抑えるという大統領の約束は破られた」との声明を出した。

 トランプ政権は底堅い米経済の見通しを踏まえ、当面は貿易摩擦が景気に及ぼす悪影響に耐えられると踏んでいる節がある。トランプ氏には11月の中間選挙をにらみ「雇用を取り戻す」との公約実現をアピールする狙いもあるとみられる。

 米中両政府は今春以降、閣僚級の通商協議を3回実施したが、次回日程が固まらないまま米国が対中制裁強化に動き出した。こうした中、米与党・共和党の重鎮は、トランプ政権の通商政策に危機意識を強める。

 下院で通商政策を担当する歳入委員会のブレイディ委員長(共和党)は10日、「トランプ氏と中国の習近平国家主席に、直ちに会談するよう強く要請する」との声明を発表。双方が強硬な貿易措置の連鎖に陥る悪循環から抜け出すため、両国トップの決断を促した。

最終更新:7/12(木) 7:55
産経新聞