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<NATO>国防費負担、米欧に亀裂 トランプ氏倍増要求

7/12(木) 22:46配信

毎日新聞

 【ブリュッセル高本耕太、八田浩輔】ブリュッセルで開かれていた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が12日閉幕した。11日に採択された共同宣言は、各加盟国が国防費負担を国内総生産(GDP)比で2%以上とする目標の早期達成を確認、同盟の結束を強調した。だが、2日間にわたる会合では、目標の4%への引き上げなどを一方的に主張するトランプ米大統領の奔放な言動に欧州各国が振り回された。

 12日にNATO本部で記者会見したトランプ氏は「2%」の共通目標について「各加盟国が支出増額の意思を示した。支出のペースを速めることを約束した」と表明、「(会議前の)2日前に比べNATOは非常に強力になった」と指摘した。

 共同宣言はロシアによるウクライナ南部クリミア半島の「違法な編入を承認しない」と改めて強調。対ロシアを念頭にした即応能力強化のため、有事に機械化大隊、飛行隊各30部隊と艦艇30隻を30日以内に必要な地域に配備できる体制の整備などでも合意した。

 一方、軍事・安全保障課題を協議する11日の会議のさなか、トランプ氏はツイッターに「私はブリュッセルにいるが、常に米国の農家のことを考えている」と貿易の話題を投稿した。また「2024年まで」の2%目標達成に向けた意思を確認した共同宣言採択の直後に「今すぐに2%支払え」とツイート。会議の非公開の場では支出目標を現行の倍の4%に引き上げるよう突然各国に要求した。

 各国首脳は12日に防衛予算に関する緊急会合を開催。その後、会見したトランプ氏は「2%目標は短期に達成される」と満足げに語り、就任前に示唆していた米国のNATO離脱については「可能だがその必要はなくなった」と述べた。

 トランプ氏の圧力外交が一定の成果を上げた形だが、NATOが「最大の脅威」と位置づけるロシアのプーチン大統領に対して肯定的な態度を示す一方、同盟国ドイツがロシアからの天然ガス輸入に依存する現状をこき下ろす姿勢には疑問の声も上がる。米MSNBCテレビは「西側諸国の亀裂を広げるため、プーチン氏が送り込んだ工作員のようだ」と警鐘を鳴らした。

最終更新:7/12(木) 23:27
毎日新聞

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