ここから本文です

「子供たちに走らせたい」 桜咲く国道6号に聖火を リレー出発点の福島は歓迎 

7/12(木) 18:53配信

産経新聞

 2020年東京五輪の聖火リレーの出発点に決まった福島県内では12日、復興をアピールする機会として歓迎する声が上がった。5年前に五輪の東京開催が決まった翌日から、沿岸を走る国道6号での聖火リレーを中高生らと要望してきた同県広野町の西本由美子さん(65)は「子供たち全員を走らせてあげたい」と目を輝かせた。

 西本さんは東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興を目指し、地元の中高生らと福島の浜通り沿いを走る国道6号に桜の木2万本を植樹する活動を続けている。県内の全長は163キロ、避難区域に指定された双葉郡も通る。すでに約1万本を植えた。

 植樹とともに清掃活動も行う。合言葉は「故郷を原発の町ではなく世界一美しい桜の町に」。そんな国道6号で「聖火リレーをやろう」と言い出したのも、高校生だった。

 「原発事故という大人たちが残した負の遺産を、子供たちは草を刈り、ごみを拾い、桜を植えて必死で変えようとしてきた。ご褒美だと思って、聖火を手に走らせてあげてほしい」と西本さんは願っている。

 津波で大きな被害を受けた宮城県石巻市も出発地に名乗りを上げてきた。市総合運動公園には旧国立競技場で1964(昭和39)年の東京五輪で使われた聖火台が貸与され、復興に向けたシンボルとして置かれている。

 公園近くに住み、津波で自宅が流されたという庄司忠夫さん(76)は「本心で言えば残念だが、福島も原発事故で大きな被害を受けた。出発地になって、みなさん喜んでいると思う」と話した。公園を訪れていた木村裕司さん(62)は宮城県女川町で被災、母親を亡くした。福島県伊達市で除染廃棄物の処理に携わっていたといい、「福島はまだまだ大変。スポーツイベントは被災地を盛り上げる力があると思う」と笑顔を浮かべた。

最終更新:7/12(木) 18:53
産経新聞

Yahoo!ニュースからのお知らせ