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NATO首脳会議 亀裂を印象づけたトランプ氏 

7/12(木) 21:23配信

産経新聞

 【ワシントン=加納宏幸】北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で同盟国の結束を確認した上で外交・安全保障で多くの課題を抱えるロシアのプーチン大統領との16日の首脳会談に臨む-。歴代米大統領なら打ったはずのこうした定石に、トランプ大統領はとらわれなかった。首脳会議はロシアがNATO加盟国間に「不和」を作ろうとしているとして結束を確認する共同宣言を採択したが、亀裂を印象づけたのはトランプ氏自身だった。

 首脳会議に合わせて11日に行われた米仏首脳会談で、フランスのマクロン大統領は記者団から「ドイツのメルケル首相がロシアの恩義を受けているという見方に同意しますか」と問われた。トランプ氏は「聞くと思った」とうれしそうに言ったが、マクロン氏の答えは「ノー」だった。

 トランプ氏は首脳会議に先立ち、加盟国の国防費増額問題でドイツを目の敵にし、ロシア産天然ガスへの依存を挙げて、「ロシアの捕虜」になっていると批判していた。記者の質問にはこんな伏線があった。

 NATO加盟国が国内総生産(GDP)比2%以上を支出するとの目標は、ロシアのウクライナ南部クリミア半島併合で欧州に対露脅威論が強まった2014年の首脳会議で設定された。トランプ氏からすれば「米国が欧州をロシアから守っている」のだから、加盟国も責任を果たすのは当然ということになる。

 国防費増額の必要性に関しては欧州側からも異論は出ておらず、今回の首脳会議でも再確認した。しかし、ドイツを「捕虜」呼ばわりするようなトランプ氏の手法は今後、NATOの足並みの乱れを招き、ロシアを利する恐れがある。

 共和党のブッシュ(子)元政権でNATO大使を務めたニコラス・バーンズ元米国務次官(政治担当)は11日、米MSNBCテレビの番組で、トランプ氏の振る舞いは米国内の自らの支持基盤を意識したものであるとの見方を示し、「味方を敵に回し、プーチン氏のような敵を味方として扱っている」と指摘した。そして、「外交上の不始末だ」と断じた。

最終更新:7/12(木) 21:23
産経新聞