ここから本文です

西日本豪雨 復旧阻む猛暑 水がない…募る不安

7/12(木) 7:02配信

日本農業新聞

 気温30度以上の強い日差しが、西日本豪雨の被災地で農家やJA職員の復旧作業を阻んでいる。被害が甚大だった愛媛、岡山、広島などでは、11日も炎天下になった一方、砂ぼこりが舞う劣悪な環境となった。浸水被害後に気温が上昇している西日本の広い範囲で、病害虫の発生が心配される。12日からはさらに暑くなる見通しで、気象庁は熱中症や水管理に厳重な警戒を呼び掛ける。

残荷片付け 処分に時間 愛媛

 日中の最高気温が34度を超えた愛媛県大洲市。「水に漬かった後の気温高で出荷物が腐って、衛生環境は最悪だ」。JA愛媛たいきが運営するたいき産直市「愛たい菜」の職員(37)は腐敗が進む玄米を指さしながら話す。8日から片付けを始めたが、駐車場には農家から持ち込まれた出荷物が大量に残っている。

 ごみを受け入れる施設は、車が殺到し持ち込みに時間がかかる上、同産直市では11日、3トントラック1台しか確保できなかった。農家のボランティアら40人超が片付けに参加し熱中症の懸念もあるため、休憩を取って作業を進め、同産直市に機材など運び出した。

 JAえひめ南の味楽共選(宇和島市吉田町)は施設全域に泥が流れ込み、暑さで熱気が屋内にこもる。11日はフォークリフトや重機を使って泥をかき出したが、地域一帯が浸水したため砂ぼこりが職員らの目鼻に入る。水に漬かったミカンの出荷箱を運び出す作業を繰り返した。JAの男性職員は「一番必要なのは水。作業をする人が倒れては意味がない」と話す。

風呂入れず 食も燃料も 広島

 広島県では水道管の破断や送水トンネルが不通のため、広域で断水が続き、16万人に影響が出ている。解消は16日以降になる見通しだ。

 同県のJA呉管内はほぼ全域が断水となり、主要道路が寸断された。呉市倉橋町に住むJA倉橋営農経済センター購買担当の小出深雪さん(60)は「土曜日から水が出ず、風呂に入れず洗濯もできない。給水所は車で20分もかかり、お年寄りは来ることができない。強い日差しで、水がないのは本当につらい」と厳しい状況を訴える。農家は皆、疲れ切った様子という。

 JA管内の江田島市で、ミカンや野菜を栽培する農家の中田紀志枝さん(66)は「汗びっしょりで流木除去の手伝いをするが、入浴できない。スーパーに生鮮食品がない。猛暑で水がない上に、栄養がある食事を食べられない。ガソリンもしばらくなく、島がパニックになった」と明かす。同市内では自衛隊が風呂を提供するが、長い列ができているという。

1/2ページ

最終更新:7/12(木) 7:02
日本農業新聞

あなたにおすすめの記事