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どうなる中学生の昼ごはん 平塚で完全給食巡り議論加速

7/12(木) 18:27配信

カナロコ by 神奈川新聞

 米飯やパンなど主食とおかず、牛乳がそろった「完全給食」の導入が県内の公立中学校で進む中、平塚市でも中学生の昼食を巡る議論が活発化している。市民から完全給食の実施を求める声が上がる一方、市教育委員会も2017年度に検討委員会を設けて協議している。その可否について市教委は今月中にも結論を出す方針という。

◆市民団体が2千人超の署名提出
 「共働きの家庭も多い。同じ食事をみんなで囲む食育も必要」「食事が菓子パン1個とか、そもそも親に弁当を作ってもらえない子もいる。食べるものに格差があってはいけない」

 今月10日、平塚市民ら6人でつくる「『平塚にも中学校給食を』市民の会」(岩田新一代表)のメンバーは、面会した落合克宏市長にこうした要望を伝えるとともに、2159人分の署名を手渡した。

 落合市長は給食の必要性に理解を示しながらも「これまでは校舎の耐震改修やエアコン設置などを優先させてきた。今後の課題として考えていきたい」と、実施について明言を避けた。

 市立中学校では長らく牛乳のみを提供する「ミルク給食」だけだったが、業者による弁当販売が17年に全15校でスタート。横浜市で実施している「ハマ弁」が1週間前までに注文しなければいけないのに対し、平塚市の場合は当日の朝に注文を受け付ける方式だ。

 12年にも市民から完全給食を求める要望があり、実施方式を検討したものの導入を見送った経緯がある。代替案として業者の弁当販売を始めたが、市教委によると、17年度の利用率は5・3%。生徒や保護者からは「販売時間を延長してほしい」「栄養バランスが悪い」といった意見も上がっているという。

◆初期投資55億円
 市は17年5月、再び中学生の昼食を巡って検討委を設けて非公開の協議をスタート。今月下旬の会合で結論を出す予定だが、多額の公費負担が壁となっているとみられる。12年時点での試算によると、学校ごとに調理する自校方式を導入した場合、初期投資の55億円に加えて、人件費と光熱費だけでも年間6億円の維持管理費がかかる。

 一方、16年度の文部科学省の調査によると、全国の国公私立中学校での完全給食実施率は83・7%。公立中の実施率が千葉県が100%なのに対し、神奈川県は全国最下位の27・3%にとどまり、17年5月時点でも28・8%だった。

 平塚市教委の担当者は「横浜、川崎市では戦後、人口急増で給食より校舎建設が優先されてきた。(平塚市も)そこに横並びしてきたが、時代も変わり市民のニーズは年々高まっている」と説明する。

 県内では川崎市が昨年、全52校で完全給食をスタート。藤沢、秦野市などでも完全実施に向けた準備が進んでいる。「市民の会」の村山俊夫事務局長は「全国でできていることが平塚でできないわけがない」と話している。