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阿炎が恩返し金星!引退危機救ってくれた鶴竜倒した「勝つのが夢でした」

7/13(金) 6:01配信

デイリースポーツ

 「大相撲名古屋場所・5日目」(12日、ドルフィンズアリーナ)

 平幕阿炎が横綱鶴竜を突き出して恩返しの大金星を挙げた。かつて付け人を務め、引退危機を踏みとどまらせてくれた大恩人に感謝の気持ちがあふれ男泣きした。金星は先場所の白鵬に続き2場所連続2個目。阿炎は2勝目(3敗)、鶴竜は連敗で2敗目(3勝)。新大関栃ノ心が琴奨菊を寄り切り、関脇御嶽海は松鳳山を押し出し、2人が初日から5連勝。大関高安ら7人が1敗で追う。

【写真】阿炎の強烈な張り手に苦しげな表情の鶴竜…早くも2敗目

 乱舞した座布団が顔面に直撃する中、阿炎は土俵上で鶴竜に向かい深々と頭を下げた。感謝の気持ちがあふれ、込み上げた。「人前では泣かない」と必死に我慢。花道を過ぎて涙腺は決壊し、真っ赤な目を手で押さえた。

 初対戦の先場所同様、「攻めて負けたら仕方がない。負けるのは想像しない」と真っ向挑戦。押し込まれたが必死に我慢して突き返した。耐え続け、鶴竜が引いたのを逃さず出た。「夢中だった。横綱だけ見ていた」。突き切って、あこがれ続けた横綱に勝った。

 相撲への情熱を失い、どん底の自身を救ってくれたのが鶴竜だった。13年夏場所で初土俵を踏み、2年足らずで新十両に昇進。しかし「相撲をなめていた」と、4場所で再び関取から陥落した。その後は稽古も身が入らず、幕下でも負け越しが続き腐った。地元埼玉で解体業への転職を準備するほど、引退することを本気で考えた。

 そんな中、16年九州場所から鶴竜の付け人を務めたことが運命を変えた。「勝っても負けても変わらない。心が強い。大きい人」。人への接し方も穏やかで、怒ったところを見たことがない。「レベルは違うけど見習えば(関取に)戻れる。バカなりに考えた」。横綱に言われ、腕立て伏せを毎日100回続けた。支度部屋のルーティンなどもまねして取り入れ、17年名古屋場所で十両に再昇進した。

 「勝つのが夢でしたから」。大恩人に幕内で挑むことを期し、心身を鍛えてはい上がった24歳。最高の恩返しが実現した。